悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
村上ファンドは阪神電鉄の保有株を巡って阪急ホールディングス(旧阪急電鉄)と売却交渉を続けており、突然の移転は波紋を呼びそうだ。
村上氏は3月に資本金3000万円を全額出資する投資顧問会社「MAC ASSET MANAGEMENT」を現地に設立。5月10日に、日本のファンド運用会社「MACアセットマネジメント」の全資産を現地に移転したことを明らかにした。同ファンドは「東京に事務所は残すが、今後の活動はシンガポールが主になる」としている。
アジアの金融の拠点を目指すシンガポールは法人税率を20%と低く設定するなど、国を挙げて海外の金融機関や資産運用会社を誘致している。村上ファンド幹部は移転の理由を「税制だけでなく、ビジネスの優遇措置など投資ファンドの誘致に積極的な点を評価した」としている。
村上ファンドは阪神電鉄のほか、TBS、松坂屋など日本の複数の上場企業に投資している。シンガポールに拠点を移した後も投資は続ける方針で、阪神株を巡る阪急との交渉も続けるという。
ただ、関係者によると、村上氏は周辺に「主張を理解しようとしない日本の風土に嫌気がさした。今後はインドなど海外への投資を加速させる」と話している。
村上ファンドは現在、「M&Aコンサルティング」が投資戦略を練り、実際の運用は投資顧問会社「MACアセットマネジメント」が行っている。今の法律では、投資家を自ら募るファンドは、当局の規制の対象にならない。国会で審議中の金融商品取引法案が成立すれば、投資ファンドの設定者や運営会社にも、登録や届け出義務が生じるなど規制の対象が広がる。M&Aコンサルティングも規制対象になる可能性がある。
今回の拠点移転について一部には「日本の金融当局が実際に監督や規制を行いにくい場所に逃れるのが狙いでは」(ファンド業界筋)との見方も出ている。