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金融庁の処分を受け、記者会見で謝罪する中央青山監査法人の奥山章雄理事長(手前)、佐藤元宏理事長代行=東京・霞が関で
金融庁によると、所属会計士は99年3月期〜03年3月期決算のカネボウの有価証券報告書に「虚偽記載がありながら故意に虚偽がないものとして証明した」とされる。
中央青山には監査結果を別の会計士や社内の審議会が点検する制度もあるが、有効に働かず、粉飾決算が長く放置された。同庁は、刑事事件に発展したことも重視し、厳正な処分に踏み切る。法人だけでなく、粉飾に関与した会計士2人を登録抹消、1人を1年間の業務停止とした。証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪を公判で認めた3人のうち1人の処分が含まれておらず、処分を追加する見通しだ。
中央青山が監査する会社は約5500社。このうち処分対象となった法定監査を受けている企業は約2300社に上る。
監査法人は業務停止処分を受けると、企業決算を監査する法的な資格を失い、相手企業との契約もいったん解除しなければならない。
金融庁は今回、企業への影響を抑えるため、決算発表や総会が集中する5〜6月の処分を避けた。処分期間中に有価証券報告書の提出期限を迎える4〜6月期決算企業などには、中央青山の監査を例外として認めた。
ただ、契約解除になると(1)株主総会で新しい会計監査人を選任する(2)監査役会で速やかに次の株主総会までの一時的な会計監査人を選任する、などの手続きが必要。6月に総会がある3月期決算企業は対応を迫られる。
ただ、業界の人材不足もあり、影響を受ける企業がすべて他の監査法人に移るのは難しそうだ。金融庁は「新たな監査法人を選ぶ努力は必要だが、結果的に選べなくても処罰はしない」とし、全国の財務局、財務支局で相談を受け付ける。
中央青山も独自の処分を発表。問題のカネボウ監査を内部で審査した3人を解職し、2人を就業停止。金融庁に虚偽の調査報告書を出した5人を減俸処分とした。7月をめどにPwCの制度を参考に、新しい審査制度を作るという。
一方、PwCはトヨタ自動車やソニーなど国際展開する企業の監査業務を中央青山と一体で実施しており、中央青山の業務停止で世界展開の一角が崩れるのは痛手。中央青山に出資する社員身分の会計士が、処分中に別の監査法人を設立できないため、代わって新法人の設立に動いたとみられる。
http://www.asahi.com/national/update/0510/TKY200605100330.html