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健康や環境への影響が分からないまま使われ続けている化学物質をできる限り減らし、人や環境への悪影響を防ぐことを主眼においた制度で、EU域内で活動する日本企業もさまざまな対応を迫られる。
環境保護団体からは、日本での同様の制度導入を求める声が強まりそうだ。
現在使われている十万種類以上の化学物質のうち安全性が確認されているものは、最近になって市場に出た物質などごく一部に限られ、ほとんどは特性や用途、安全性に関する情報が不十分なのが実情。
これまで化学物質の安全性評価は公的機関が行ってきたが、REACHでは安全性の立証を事業者の責任と明記。化学物質を一トン以上製造したり輸入したりする業者に、特性や安全性に関する情報などの提出と登録を義務付ける。化学物質の安全な管理のため〇八年に「欧州化学庁」を発足させる。
登録対象物質は、工業製品や農薬、化粧品、医薬品など多岐にわたり、約三万種になる見通しだ。
分解しにくい、体内にたまりやすい、発がん性があるなどリスクが非常に高い物質は使用制限や禁止の対象になる。
企業が新たに行う安全性試験など制度導入に伴うコストは二十三億ユーロ(約三千三百億円)に達すると見積もられている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060508/eve_____sya_____002.shtml