2006年04月27日(木) 03時19分
「第3のビール」増税 イオン据え置き コンビニは転嫁(産経新聞)
五月一日からの酒税改正を控え、大手スーパー「ジャスコ」などを展開するイオンは二十六日、ビール風味のアルコール飲料「第三のビール」など増税対象商品について、販売価格を据え置くと発表した。大手コンビニエンスストアは価格転嫁する方針を決めたが、他の大手スーパーの中には対応を決めかねているところもあり、イオンの決定を受けて販売価格を据え置く企業も出てきそうだ。
「税制が変わったからといって、価格をスライドできるような競争環境にはない。(増税分は)経営の合理化で十分吸収できる」−。
この日の記者会見で、増税対象商品の価格据え置きを表明したイオンの岡田元也社長はこう言い切った。同社は昨年夏からビール類の流通を見直し、卸を介さずにメーカー直送にするなど効率化を進めており、コスト削減による価格据え置きが可能と判断した。
今回の酒税改正では、第三のビールや缶チューハイ、ワインなどが増税され、第三のビールでは三百五十ミリリットル缶一本あたり三・八円の増税となる。これに伴って大手ビール各社では、出荷価格を同三・七五−四円引き上げる方針を打ち出しており、スーパー各社の対応が注目されていた。
イオンは第三のビール三百五十ミリリットル缶一本あたり現行の価格百十円を維持。一ケース(二十四本入り)で九一・二円の増税に対し、二千四百八十円のままとする。一方、三百五十ミリリットル缶一本あたり〇・七円減税となるビールをめぐってイオンは、一缶あたり一円引き下げる。六缶パックでは減税額四・二円に対し、七円下げて千四十円とする。
今回の「据え置き宣言」は波紋を呼んでおり、ライバル各社の対応も揺れ始めている。
西友は増税分を価格に転嫁する方向だったが、イオンの方針を受け、価格の据え置きも検討する。「現段階では未定」とするイトーヨーカ堂も顧客獲得合戦が激しさを増す中で厳しい対応を迫られそうだ。
一方、コンビニは価格転嫁する方針でまとまっている。ローソン、サークルKサンクスなど大手各社は三百五十ミリリットル缶で、第三のビールは四円値上げし、ビールを一円値下げする。三年前の発泡酒増税で価格を据え置いたファミリーマートも「今回は増税幅が小さい」として価格転嫁を決めた。最大手のセブン−イレブン・ジャパンでは「増減税分は適正に転嫁する」との方向で近く販売価格を発表する。
(産経新聞) - 4月27日3時19分更新
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