2006年04月22日(土) 03時03分
<ウィニー>皇太子ご夫妻ら、要人の移動経路文書が流出(毎日新聞)
皇太子ご夫妻や中国の要人が03年9月に大阪を訪れた際、宿泊先から視察先などに行く経路や通過予定時刻を記した文書が、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介して流出していたことが分かった。阪神高速道路の巡回パトロールなどを受託していた「高速道路管理」(大阪市北区、営業休止中)の内部文書で、要人の安全にかかわる情報管理が改めて問われそうだ。
阪神高速道路会社(旧阪神高速道路公団)によると、警察庁の指摘で今年2月に判明。高速道路管理社は、04年度まで落下物の巡回点検・回収などを請け負ったが、公団民営化に伴い、営業を休止しているという。
「VIP(皇太子・妃殿下行啓)」と題されたファイルは、皇太子ご夫妻が学会出席のため大阪府立母子保健総合医療センター(同府和泉市)を訪問した際の記録。宿泊した大阪市内のホテルを出発後、阪神高速道のインターや分岐の通過予定時刻などを、行き帰りとも記している。
また、事前に落下物などを点検・回収する担当者名などもあった。さらに「VIP(中国)」と題された同様のデータも含まれ、呉邦国・全国人民代表大会常務委員長とみられる要人が関西国際空港に向かう経路や予定時刻を書いてあった。
高速道路管理社の「社員証」ファイルも流出。延べ79人分の顔写真や氏名、生年月日などが含まれ、社員証の原本とみられる。また「家族手当一覧表」や「賞与査定表」などのファイルには、手当や賞与の額があった。
阪神高速道路は「既に業務を委託していない会社とはいえ、流出は残念で責任を感じている。情報管理の徹底を発注先企業にも改めて指示した」としている。大阪府警警備部は「他機関のことにコメントする立場にないが、一般論としてこうした情報の流出は好ましくない」と話している。【サイバーテロ班】
(毎日新聞) - 4月22日3時3分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060422-00000010-mai-soci