2006年04月22日(土) 03時01分
貸金業規制 上限金利20%以下 金融庁懇中間整理 「みなし弁済」は廃止(産経新聞)
消費者金融など貸金業の規制強化を検討している金融庁の有識者懇談会「貸金業制度等に関する懇談会」(吉野直行座長)は二十一日、上限金利の20%以下への引き下げの方向性を強く打ち出した「中間整理」をまとめ、公表した。金利が20%を超えても、借り手が任意に支払う意思を示した場合などには賃金業者が金利を受け取れる現行の「みなし弁済」制度の廃止も求めた。
六月に最終報告をまとめる。
貸金業市場は約四十三兆円。上限金利の引き下げが実現すれば、個人向け無担保ローン金利全体への下げ圧力が強まり、消費者金融業者やカード会社などの経営にも影響を及ぼしそうだ。
この日は、今月十八日にまとめた原案をもとに最終案を調整した。
その中で、焦点となっていた上限金利について「利息制限法の上限金利水準(15−20%)に向け、引き下げる方向で検討することが望ましいとの意見が委員の大勢だった」と明記。刑事罰のない利息制限法の上限金利と、刑事罰を問える出資法の上限金利(年29・2%)の間の「グレーゾーン(灰色)金利」を撤廃し、20%以下に引き下げることを求めた。
利息制限法の上限金利を超えても出資法の上限金利を下回れば、賃金業者が金利を受け取れる現行のみなし弁済制度についても、最終案は「廃止すべきだとの意見でおむね一致した」とした。
吉野座長は記者会見で「灰色金利は廃止し、引き下げる方向でもおおむね意見が一致したことは成果」と評価した。
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≪中間整理 骨子≫
一、出資法の上限金利は利息制限法の水準に引き下げ検討
一、グレーゾーン金利は廃止
一、返済能力超える貸し付けには行政処分
一、貸し手の説明義務を強化
一、資格試験制度導入などで参入規制強化
一、信用情報機関同士の情報交流推進
一、日掛け金融の特例金利も見直すべきだ
(産経新聞) - 4月22日3時1分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060422-00000006-san-pol