2006年04月21日(金) 03時09分
「解釈誤った拒否多い」個人情報保護法で日弁連シンポ(読売新聞)
全面施行から1年が過ぎた個人情報保護法を巡る問題と解決法を考えるシンポジウム「個人情報保護法混乱の原因は何か」(日本弁護士連合会主催)が20日、東京・霞が関の弁護士会館で開かれ、約250人が参加した。
まず、日弁連の情報問題対策委員会が、弁護士が業務で直面した問題点などを報告。本来は提供されるべき情報が、保護法を理由として提供されなかった事例として、社会保険事務所が、死亡者の国民年金保険料滞納の有無について、相続財産管理人の弁護士に提供を拒んだケースや、銀行協会が法人の取引停止の有無について、弁護士法に基づく照会に回答を拒否したケースなどが挙げられた。
同委員会は「誤った解釈で、『とりあえず拒否すればいいだろう』という事例が多い」と指摘し、保護法の正確な理解と解釈を求めるべきだと訴えた。
パネルディスカッションでは、宇賀克也・東大大学院教授、森田明・神奈川大法科大学院教授(弁護士)、清水勉・同委員会副委員長が、医療や地域の現場で起きている問題や、行政機関の情報非開示の広がりについて討論した。
内閣府が昨年、幹部人事の発表で、それまで公表してきた生年月日や最終学歴を原則非公表としたことについて、宇賀教授は「国の政策決定にかかわるような影響力の大きい公務員の情報は公開すべきだ」とし、森田教授も「慣行として公開されていた個人情報は出すべきだ」と述べた。
(読売新聞) - 4月21日3時9分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060420-00000315-yom-soci