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【熱パ】
昨シーズンからソフトバンクと楽天がプロ野球参入を果たしたが、しのぎを削るのはグラウンドだけではない。ネット上でも“ペナントレース”が展開されている。
三木谷浩史社長(41)率いる楽天は、東北楽天ゴールデンイーグルスの主催試合のネット中継を今季から無料化。年間10万円だった昨年は、加入者が伸び悩んでいた。
ソフトバンクも、ブロードバンド接続「ヤフーBB」会員向けだった福岡ソフトバンクホークスの中継を「ヤフー動画」で、誰でも無料で見られるようにした。
一方、宇野康秀社長(42)率いるUSENは、インターネット放送「ギャオ」で、今季から千葉ロッテマリーンズの主催試合を無料中継。
IT業界のアナリストはその狙いを、「テレビ局のように視聴者数を増やして広告収入を上げること。集客を増やせば、他のサービスを利用してくれる可能性も高まる」と指摘する。
【集客勝負】
3社ともメディア機能を強化。楽天はTBSの株20%近くを取得。経営統合を提案し、拒否されたが、現在も提携交渉中だ。USENはいち早く本格的なネット放送局を立ち上げ、視聴登録者は880万人を突破。集客力をさらに上げるため、有力なポータル(玄関)サイトを持つライブドアに食指というわけだ。
だが、集客力にかけては、1日平均10億ページ以上が見られているヤフーが断トツだ。「楽天とヤフー(ソフトバンク)の差は、球団の実力差と同じぐらい」(前出のアナリスト)と皮肉る向きも。
そのヤフーのポータルに加え、オークションや金融、固定電話、ネット接続と拡大を続けるソフトバンクとヤフーの次の大きな野望がケータイ業界だ。
【高い買い物?】
「孫さんが新事業に対して本気かどうかは、記者会見を見ればすぐ分かる。ズバリ、井上さんを連れてくるかどうかだ」と業界ジャーナリスト。2001年のADSL事業、昨年の動画配信サービスに続いて、そのツーショットが見られたのが先ごろ、1兆7500億円と国内最大規模となったボーダフォン買収発表の席上。ヤフーは事業参加だけでなく、1200億円を出資もした。
買収後、社名とブランド名変更を表明。「ヤフーのコンテンツやサービスをケータイに提供する一方、ブロードバンドや無線LAN、固定電話とセットで低価格を実現し、顧客を囲い込む狙いだろう」(同)とみる。
一方で、死角を指摘する声も多い。孫社長は14日、ボーダフォン日本法人の社長に自ら就任する考えを明らかにし、見劣りする通信インフラや端末種類について「一気に変える」と強い意欲を示した。だが、「ボーダフォンは基地局が老朽化しており、主流の第3世代ケータイ用の基地局は整備が遅れている。今後、かなりの投資が必要。高い買い物だ」とある通信事業者。
【壁】
また、ソフトバンクグループは英ボーダフォングループ全体と合弁を組むことを検討し、世界のケータイ向けサービス展開も明らかにしている。
ただ、検索を中心にネット上のサービスを拡大させている米グーグルが立ちはだかる。「実は英ボーダフォンは、グーグルとも世界的な提携を結んでいる」(前出の関係者)というのだ。さらに「ヤフーブランドで海外進出すると、米ヤフーとブランドがバッティングする可能性もある」(別の関係者)との見方も。
ソフトバンクホークスの王監督はWBCで世界一になったが、「総合デジタル情報カンパニー」を掲げるソフトバンクとヤフーは果たして−。
ZAKZAK 2006/04/15