2006年04月11日(火) 21時44分
NHKチーフプロデューサー、カラ出張1762万円(読売新聞)
NHKは11日、報道局のチーフプロデューサーが、2000年から6年間にわたってカラ出張を繰り返し、計約1700万円を着服していたと発表した。
NHKでは同日付で本人を懲戒免職としたほか、当時の上司ら10人を出勤停止7日などの懲戒処分にした。原田豊彦専務理事・放送総局長が報酬の1か月分20%、石村英二郎理事・放送総局副総局長が同10%を自主的に返上した。
一連の不祥事が原因となった、受信料不払いに伴う財政難で綱紀粛正を図る中、なおも続けられていた不正行為に、NHKは大きな衝撃を受けている。
NHKによると、カラ出張を行っていたのは、同局スポーツ報道センターの大下哲史(43)チーフプロデューサー。
札幌放送局と同報道センターで、スポーツ中継などの業務に当たっていた約6年間に、架空の国内出張名目で242回にわたって計1762万円を受け取り、服飾費や飲食費に充てていたという。大下チーフプロデューサーは事実関係をすべて認めており、全額を弁済している。
この不正は、今月2日、九州へのJリーグ取材の際、スケジュールがあまりにも強行軍だったため、不審に思った上司が問い合わせ、発覚した。
一時は、128万件にまで上った受信料の支払い拒否・保留件数も、最近ではようやく減少。先月末現在では120万件を切り、119万8000件(速報値)となっているが、今回の問題が契機となって、不払いが再び増加に転じる恐れもある。
記者会見した原田放送総局長は、「見抜けなかったのは痛恨の極み。どこかに抜け道や見落としがあった。コンプライアンス(法令順守)のためには、不断の努力が本当に必要と肝に銘じたい」と陳謝した。
(読売新聞) - 4月11日21時44分更新
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