2006年04月01日(土) 14時03分
西沢氏、作り話でだます…民主「偽メール」報告書(読売新聞)
高級外車で案内し、会食の話題は「元知事の孫」「妻は政治家志望」……。
民主党が31日に公表した「偽メール」問題に関する調査報告書は、永田寿康衆院議員に情報を提供した元記者の西沢孝氏が、口八丁手八丁で永田氏の信頼を得ていく過程を明らかにしている。執行部の総退陣まで招いた問題の真相は——。
報告書によると、永田氏は昨年10月、西沢氏が経営する会社の雑誌の取材を通じて同氏と知り合った。西沢氏はドイツ製高級車を自ら運転して写真スタジオに案内しながら、「大手週刊誌の記者時代に取材したものが世に出ないのは悔しいので、永田さんに国会で追及してもらいたい。自分の自己実現でもあり、永田さんの功績にもなる」と、情報の提供を持ちかけた。
今年1月の会食の際には、「妻がいずれ選挙に出たがっている」と話し、永田氏が自らの秘書にしてもいいと伝えると、「自分はお金に困っていない」としながら、「人件費を度外視してもありがたい」と答えた。その席では、西沢氏が「元長野県知事の孫」であることや、雑誌の広告収入が1号あたり1億円であることが話題になったという。
2月に入り、永田氏にライブドア側からの送金実態を問われると、西沢氏は手帳を見ながら、「メールを受けて8月29日に3000万円、(その後も)10月14日にはK1イベントのチケット代金の名目で1000万円……」などと説明した。
報告書は「現時点までの調査で、元知事の孫ではないことが判明している」と明記している。さらに、「人件費度外視の秘書として働きたいという話は政治家にはうれしい話で、金銭を目当てに近付いてきた印象も皆無と感じ、この時点では全幅の信頼を置いていた」と西沢氏のこうした振る舞いが永田氏の信頼の根拠になったと指摘し、「作り話や事実の粉飾などで合理性を装い、永田議員をだました」と結論づけている。
(読売新聞) - 4月1日14時3分更新
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