2006年03月31日(金) 22時16分
桶川ストーカー殺人、小松被告らに1億円賠償命令(読売新聞)
埼玉県桶川市で1999年10月、女子大生猪野詩織さん(当時21歳)が殺害された事件で、猪野さんの両親が、主犯格とされる元東京消防庁職員小松武史被告(39)(殺人罪などで1、2審で無期懲役、最高裁に上告中)ら4人を相手取り、計約1億2050万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、さいたま地裁であった。
石原直樹裁判長は、「理不尽な犯行で、被害者の無念さは筆舌に尽くしがたい」として、4人に計約1億560万円の支払いを命じた。
判決によると、小松被告は、弟(2000年に自殺、当時27歳)が猪野さんに交際を拒絶されたため、経営していた風俗店の店員らを使って、猪野さんの中傷ビラをまくなどの嫌がらせを繰り返したうえ、弟の指示に基づいて殺害を計画。店員3人に指示し、99年10月26日、JR桶川駅前の路上で猪野さんを殺害した。
石原裁判長は、弟についても「小松被告を通じ、被害者を殺害させたといえる」とし、刑事も含めた一連の裁判で初めて殺害への関与を認定した。小松被告の両親は弟の損害賠償義務を相続したとして被告となっていた。
この事件を巡っては、猪野さんの両親が00年、小松被告ら計17人に損害賠償を求めて提訴。実行犯2人に計約9860万円、中傷ビラなどをまいた5人に計490万円の賠償を命じる判決が確定。別の5人とは和解が成立し、1人は訴えが取り下げられていた。
判決後、猪野さんの父親憲一さん(55)は「弟が主犯であるという当たり前の判決を、当たり前に出してくれた」と声を詰まらせた。
(読売新聞) - 3月31日22時16分更新
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