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2006年03月30日(木) 08時30分

米産牛肉、輸入再開へ日米一致 専門家会合朝日新聞

 米国産牛肉の輸入再開問題をめぐる日米両政府の専門家会合が29日、2日間の日程を終えた。日本側は、米国の二つの牛肉処理施設で危険部位である背骨が牛肉に混入したのは、2施設の対応の不備という個別の理由によるもので、検査態勢そのものには問題がないという米国側の主張に一定の理解を示した。危険部位の混入原因で日米政府の認識がおおむね一致したため、両政府は輸入再開に向けた具体的な手続きに入る。

 今後の手続きとしては、米国内の牛肉処理施設に対する監査のほか、日本国内では消費者への説明などが焦点になる。日本政府は国内世論の動きや米国の追加対策の中身などを見極め、順調に行けば6月に予定される日米首脳会談前に輸入再開を決断する公算が大きい。

日本政府が昨年12月に再開したばかりの米国産牛肉の輸入を1月20日に再び停止したのは、牛海綿状脳症(BSE)対策で除去が義務づけられている背骨の混入が見つかったため。

米側は、背骨混入は問題の2施設の「特異的な事例」という従来の主張を改めて強調した。日本側は(1)2施設と同じ地域には他に輸出施設がなく、情報が伝わりにくかった(2)米農務省の検査官が研修を受けていなかった、などの点を踏まえて「他の施設に比べてかなり違った背景があった」(釘田博文・農水省動物衛生課長)と認めた。

 ずさんな施設に日本向けの輸出を認可した米政府の判断も「当時の認定手続きに問題はなかった」(道野英司・厚生労働省輸入食品安全対策室長)と理解を示した。

 米側が、職員の追加訓練や輸出できない部位の周知徹底などを対日輸出マニュアルに新たに取り入れる必要性を認めたこともあって、背骨混入の原因では「一定の共通認識が得られた」(釘田課長)という。ただ、背骨混入の再発防止策の詰めは、今後の課題として残された。

 ジョハンズ米農務長官は29日、ワシントンで記者団に「日本側は米国に対して追加的な訓練と作業マニュアルへの対応を求めている。必要とあれば我々はそれを受け入れる」と述べ、問題解決を目指す姿勢を強調した。

 

http://www.asahi.com/politics/update/0329/009.html