2006年03月28日(火) 01時00分
オウム松本被告の控訴棄却決定=2審公判なく、死刑確定の公算−東京高裁(時事通信)
オウム真理教元代表松本智津夫被告(51)=一審死刑=の控訴審手続きで、東京高裁の須田賢裁判長は27日、同被告には訴訟能力があるとした上で、弁護団が期限内に控訴趣意書を提出しなかったとして、刑事訴訟法の規定で被告側の控訴を棄却する決定をした。
同日夕、東京拘置所の松本被告に決定書を送達した。弁護団は決定を受け、高裁に異議を申し立てる意向を示した。
決定は判決と異なり、上告はできない。異議や特別抗告が認められる可能性は低いとみられ、松本被告の裁判は1996年4月の初公判から10年を経て、控訴審が一度も開かれずに、東京地裁の死刑判決が確定する公算が大きくなった。
須田裁判長は、弁護団が昨年8月末の期限内に趣意書を出さなかったことについて「記録が膨大で論点が多数のために趣意書を完成できなかったのではなく、既に完成しているのにあえて提出しない道を自ら選んだ」と指摘。弁護団は今月28日に提出するとしていたが、高裁は刑事訴訟規則で定める遅延の「やむを得ない事情」はないと判断した。
(時事通信) - 3月28日1時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060327-00000093-jij-soci