2006年03月27日(月) 20時05分

松本被告の控訴棄却　オウム事件で東京高裁（共同通信）

　地下鉄サリンなど１３事件で殺人罪などに問われたオウム真理教松本智津夫被告（５１）＝１審死刑、教祖名麻原彰晃＝について、東京高裁（須田賢裁判長）は２７日、「訴訟能力に問題はない」と判断、弁護側が期限内に控訴趣意書を提出していないことなどを理由に、松本被告の控訴を棄却する決定をした。
　決定に対しては上告ができず、異議申し立てや最高裁への特別抗告の手続きが残されているが、いずれも認められる可能性は低いとみられる。１９９６年４月の１審初公判から１０年、松本被告の公判は控訴審が開かれないまま、２００４年２月の１審死刑判決が確定する公算が大きくなった。
　決定理由で須田裁判長は「弁護団は提出期限内に控訴趣意書を提出できたのに、あえて提出しない道を選んだ」と指摘。「高裁の精神鑑定方法に納得できないということでは、不提出は正当化されない」との判断を示し「被告が裁判を受ける権利を守る使命、職責の点で極めて問題がある」と厳しく批判した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060327-00000254-kyodo-soci