2006年03月25日(土) 15時24分
<みずほ銀>おれおれ詐欺半減 払い戻し限度額引き下げで(毎日新聞)
みずほ銀行がATM(現金自動受払機)から1日に払い戻しできる限度額を500万円から50万円へ引き下げたところ、同行の口座が「おれおれ詐欺」に悪用される割合が半減したことが警視庁捜査2課の調べで分かった。同課は、一度に多額の金を引き出そうとする詐欺犯にとって使いにくくなったのが要因とみて効果に注目している。
払戻限度額の引き下げは、偽造・盗難カードによる不正引き出し防止策として04年ごろから各金融機関で導入されている。限度額を100万〜200万円に設定しているケースが多かったが、詐欺被害を防ぐための警視庁などの要請を受け、今年に入ってさらに引き下げの動きが広がっている。
◇払戻限度額500万円→50万円
みずほ銀行は昨年9月、通常のキャッシュカードでATMから払い戻す際の限度額を500万円から一気に50万円に引き下げた。偽造の難しいIC(集積回路)カードは100万円を限度とし、限度額を超える払い戻しには窓口で本人確認を求めることにした。
警視庁捜査2課は、昨年6〜12月の都内でのおれおれ詐欺の発生状況を調査。振込先として利用された各金融機関の口座を調べたところ、前半の6〜9月は1145口座が犯行グループに利用され、うちみずほ銀行は80口座で7.0%を占めた。しかし後半の9〜12月は823口座中、28口座にとどまり、みずほ銀行が占める割合は3.4%に減った。
同課の調べでは、おれおれ詐欺の平均被害額は200万円前後。被害者の8割は事件当日に気づいて警察や銀行へ通報しており、同課は「払戻限度額が低いほど被害も小さく食い止めることができる」とみている。
みずほ銀行は「50万円しか払い戻せず不便だという声もあるが、説明して理解してもらっている」と話している。【三木陽介、石丸整】
【ことば】おれおれ詐欺 主に携帯電話を使い、親族になりすまして示談金などの送金を要求し現金をだまし取る手口の詐欺。警察官や弁護士役を含めたグループでの犯行が多い。依頼する送金方法の約9割が口座振り込み。インターネット利用をでっち上げる「架空請求詐欺」とうその融資を持ちかける「融資保証金詐欺」を含めて「振り込め詐欺」と総称する。昨年、振り込め詐欺は全国で約2万1600件発生し、被害総額は約251億円。うち約6800件、128億円をおれおれ詐欺が占めた。
(毎日新聞) - 3月25日15時24分更新
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