2006年03月17日(金) 21時58分
収用土地の補償金分配、女性差別規定は違法…最高裁(読売新聞)
在日米軍用地として収用された土地の補償金を、自治組織の規定に基づき、男性の世帯主にだけ分配したのは違法だとして、沖縄県金武(きん)町の女性26人が自治組織に対し、補償金の支払いなどを求めた訴訟の上告審判決が17日、最高裁第2小法廷であった。
津野修裁判長は「男女の本質的平等を定めた憲法の理念に照らし、規定の中で女性を差別した部分は違法だが、分配先を世帯主に限定した部分は不合理ではない」と判断。世帯主となっている女性2人についてだけ、請求を棄却した2審・福岡高裁那覇支部判決を破棄して、審理を同高裁に差し戻す一方、世帯主でない女性については、上告を棄却した。
この自治組織は、収用された山林を薪採りに共同利用してきた住民が、補償金分配のために設立。「家」制度が色濃く残る集落の慣習に基づき、規定で補償金の分配対象を男性の世帯主に限定していた。
1審・那覇地裁は「女性差別は違法」として一人当たり120万〜306万円の支払いを命じたが、2審は「共同利用の権利は家の代表である長男が主に受け継いできたから、女性に分配しなくても違法ではない」として、原告側逆転敗訴を言い渡していた。
(読売新聞) - 3月17日21時58分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060317-00000114-yom-soci