2006年03月17日(金) 15時02分
情報流出:防止対策、ウィニー使用禁止 頼みは個人のモラル−−県警 /香川(毎日新聞)
◇職員のパソコン点検−−「使いません」誓約書も
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」によるインターネット上への警察の捜査情報の流出が相次いでいる。今月に入ってからは岡山、愛媛県警で容疑者の供述調書などが大量に流出。警察庁は全国の警察本部に職員のパソコンなどを緊急点検するよう指示した。香川県警も、各所属の次長を集めて会議を開き、パソコンの点検方法などを伝えた。県警の流出対策を調べた。
ウィニーは日本で開発されたファイル交換ソフトの一つ。インターネットを通じて、ユーザー同士がそれぞれのパソコンの特定のフォルダ(共有フォルダ)で所有する音楽、写真、映像などのデータを交換できる。
一度に複数のパソコンと通信してデータ交換ができるため、離れた場所同士での文書のやり取りなどに役立つ。しかし、暴露ウィルスに感染すると、フォルダ外のデータも共有フォルダにコピーされ、ネット上に流出する危険性が出てくる。
県警情報管理課によると、京都府警で起きた流出問題を受け、04年4月、公用で使う許可を得た私有パソコンにファイル交換ソフトを入れるのを禁止。入れた場合は削除するよう全職員に通達した。さらに愛知県警でも流出問題が起きたため、昨年6月にも同様の通達を出した。
今回の流出問題を受けて、職員約2000人のパソコンを順次点検する他、全員に「ファイル交換ソフトを使わない」との誓約書を提出させる。点検は、今月下旬までには終わる見通し。
県警は、原則として公用で使うパソコンの職場外への持ち出しを禁止。やむを得ない場合は上司の許可を得ることとしている。また、インターネットへの接続も禁止されており、職員がホームページなどを閲覧する際は専用のパソコンを使う。ウィルス対策ソフトの更新や必要な情報収集のため、公用で使うパソコンをインターネットに接続する場合も、事前に警務部長の許可を得る。
だが、こうした対策には限界があり、結局は職員個人のモラルに頼らざるを得ない。同課の丸岡敬治課長は「点検などをすることで職員の情報セキュリティ意識を高め、流出を防ぎたい」と話している。【南文枝】
3月17日朝刊
(毎日新聞) - 3月17日15時2分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060317-00000183-mailo-l37