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東京都中野区に住む今泉さんの本業は、エンジニア。家に帰るとまず仮眠し、深夜の二、三時間をウィキペディアに費やすという。
「韓国にあるアジアのサーバーの負荷が軽い時間帯が深夜なので」と苦笑い。
「ウィキペディアの収入は個人の寄付に頼っています。ほとんどハードウエアの購入に充てているのですが、サーバーが増えたらその分使う人が増えるという自転車操業で…」。世界規模のプロジェクトを支えているにしては、なんとも頼りない資金状態だ。
もちろん、月に百時間以上ウィキペディアにかかわっている今泉さんも、もちろん無報酬。それでも続けている理由は「楽しいからです」。
日本には、今泉さんなど運営にかかわる管理者が三十五人いるほかに、月に百回以上編集してくれる参加者が、中学生から五十代まで常時二百から三百人いるという。
子どものころパソコン少年だった今泉さんの仕事は、プログラムの設計。「二年前に趣味でオンライン百科事典を作ろうとして調べたら、すでにウィキペディアがあるじゃないですか。それで記事を投稿したら、自分の文章が載ったんです。『これはおもしろい!』と思って」が管理者となった動機。「関心があったら一度編集してみてください」と言う。
ウィキペディアはウィキと呼ばれるシステムを使って、ウェブブラウザ上でだれもが記事を書き換えられる百科事典。このため、時には間違った記事が掲載されることもある。でも、気づいた人が直すことで、じきに正確な内容に修正される。「明らかに間違った記事は人の目が増えれば必ず修正されます」と今泉さん。
大切なことは、いつも中立な立場でさまざまな見方の記事を載せること。例えば、竹島問題では、日韓両国の主張が併記してある。とはいえ、米国が発祥の地ということもあり、科学や人物評などは英語圏から見た情報に偏り気味。やっかいなのは、他サイトなどから無断で転載するケース。投稿者は善意で行っているのだろうが、著作権を侵害している意識がないケースが多い。結局、記事の間違いも偏見もマナー違反も、正すのは大勢の“人の目”だ。
ヒトノメといえば、冒頭のアタリメ。その由来を調べたところ、スルメの「スル」という部分が「金をする(使い果たす)」という語感を持つため、縁起をかついで「アタリメ」と言い換えられる、とあった。
ウィキペディアの目的は「信頼されるフリーな百科事典を創り上げることです。それも、史上最大の、質も量も最高の百科事典を」。創始者、米国人ジミー・ウェールズ氏の理念に共鳴する世界中の人が、今日もまた人類の英知を紡いでいく。
ウィキペディアのURLは、http://ja.wikipedia.org/wiki/。寄付も同サイトで受け付けている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20060313/ftu_____dgi_____000.shtml