2006年03月12日(日) 03時05分
ライブドア04年決算、会計士が粉飾認識の供述(読売新聞)
ライブドアの2004年9月期を巡る粉飾決算事件で、監査を担当した港陽監査法人(横浜市)の公認会計士が、東京地検特捜部の事情聴取に「粉飾だと思ったが、適正意見を出した」と供述していることが、関係者の話で分かった。
今回の粉飾では、前年まで監査を担当し、その後、同監査法人を退職した別の会計士が、預金付け替え工作に関与したことが判明している。特捜部は両会計士について、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑での立件を視野に、証券取引等監視委員会と連携し、捜査を進めている。
同法違反容疑で逮捕されたライブドア前社長の堀江貴文被告(33)らについて、特捜部は拘置期限の14日に起訴する見通しで、その後も両会計士の捜査を継続するとみられる。
特捜部の調べによると、堀江被告らはライブドアの04年9月期連結決算で、自社株売却益を売り上げに不正計上したり、買収予定だったサイト運営「キューズ・ネット」など2社の預金を売り上げに付け替えたりして、約3億円の経常赤字を約50億円の経常黒字と偽った疑いが持たれている。
関係者によると、港陽監査法人の会計士は、預金付け替えなどの経理操作に疑問を抱き、ライブドア側に確認を求めたが、ライブドア側は、実際に取引があったように見せかける書類を提出してきた。会計士は書類を見ても、なお粉飾の疑いがあると認識。監査法人内で協議したが、最終的にライブドアの意向に沿う形で、決算を「適正」とする監査報告書を作成。会計士は特捜部に対し、こうした経緯を認めているという。
この会計士は、02年からライブドアの監査報告書の作成に関与。問題となった04年9月期では、監査の責任者を務めていた。
一方、03年9月期まで監査の責任者を務め、同年12月に同監査法人を退職した別の会計士が、04年9月期決算で、ライブドア側の指示を受け、キューズ社の預金を売り上げに付け替える際の送金手続きなどをしていたことが判明している。
会計士が立件されたケースとしては、カネボウの粉飾決算事件で、会計士3人が証取法違反の罪で起訴された例がある。
(読売新聞) - 3月12日3時5分更新
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