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夫婦と同じアパートに住んでいた山下彰子さん(69)。逮捕の報を受けて花と果物を供え、一通の手紙を空き缶に入れて燃やした。
手紙が届いたのは事件当日。朝、ニュースで悲報を知った直後に郵送された。
「もう死ぬ以外ない。借りていたお金すべてを返せないけれど許してください」。亡くなった妻=当時(69)=が前日に出したものだった。
妻の窮状を見かねて何度か金を貸した。「夫の会社に十万円ぐらいあるはず。残りを受け取ってください」。最後まで周囲を気遣っていた。
山下さん宅にも業者から電話があった。「おまえんとこが保証人になってる」「部屋にいるかどうか見てこい」
「本人はどんなに怖かったことか。逮捕で区切りを付けたくて手紙を燃やした。でも、どうしても思い出してしまう」。山下さんは手で顔を覆い、涙を流した。
妻の兄(81)は事件の約二カ月前、苦悩を打ち明けられた。「少ししか借りてないのに、何度も迫られる。いくらお金があっても足りない」。自分の葬儀用にためていた百万円を妹に渡した。
「これで助かる」。ほっとした表情を忘れることができない。やっと解決したと思ったところで、妹と義弟、実兄の三人を失った。「苦しみ抜いたあげく、死を選びました」と遺書が残されていた。
「犠牲になるのは妹たちだけで十分。もうこういうことは一切やめてくれと言いたい」
夫婦の遺骨は大阪市内の寺院にある。兄は近く、容疑者逮捕を墓前に報告するつもりだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060308/mng_____sya_____008.shtml