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2006年03月07日(火) 00時00分

【関連】携帯・カードは廃棄 遺失物法改正案 保管期間経過後 個人情報に配慮 東京新聞

 情報技術(IT)の進展に伴い、携帯電話やキャッシュカードなどの落とし物が急増する中、七日閣議決定された遺失物法改正案。記録された個人情報をめぐり、拾得した鉄道会社などが現場で対応に困るケースが相次いでいたが、携帯電話などは保管期間経過後も所有者が分からない場合、拾った人には渡さず廃棄されることに。警察庁幹部は「善意の拾得者による悪用はないだろうが、個人情報が第三者に渡る不安を解消する必要がある」と説明している。 

 同庁によると、二〇〇四年に全国の警察に届けられた携帯電話の落とし物は推計約三十三万台。落とし物全体の4%を占める。持ち主への返還率は76%と高いが、落とし物を大量に扱う鉄道会社などには悩みも。

 同庁のアンケートでは「携帯電話のデータを見て良いかどうか判断が難しい」(ホテル関係者)などの声が寄せられた。

 最も苦慮するのは、電気通信会社に問い合わせても個人情報保護法のため持ち主を教えてもらえないことだ。警察庁と電気通信会社一社が昨年、協定を締結。落とし物が警察に届けられると同社から持ち主に知らせてもらう仕組みを作ったが、協定は一社だけにとどまっている。

 このため改正法は「警察署長は返還のため必要事項を照会することができる」と定めた。鉄道会社などについても「保管物件を返還するときは遺失者であることを確認しなければならない」とし、携帯電話やカードの持ち主情報を見る行為を認めている。

 一方、個人情報が記録された落とし物の持ち主が見つからない場合にも配慮。携帯電話やカード類に加え、住所録や免許証、個人的な記録が保存されたパソコン、企業の顧客リストなどは、保管期間が過ぎても、拾った人に渡さず、廃棄することにした。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20060307/eve_____sei_____002.shtml