2006年03月02日(木) 03時06分
<空自情報流出>パソコンから基地警備計画案など(毎日新聞)
重要情報の流出が相次いだ海上自衛隊に続き、航空自衛隊でも複数の隊員のパソコンから内部情報やデータが流出していたことが1日分かった。流出したデータには、昇任試験の模擬テストや、隊員約60人分の個人情報などが含まれており、空自が詳しい調査を始めた。2年前に発覚した陸上自衛隊の情報流出問題を含め、これで陸海空3自衛隊での流出が確認され、自衛隊全体の徹底した情報管理が求められる事態となった。
毎日新聞が入手した資料などによると、流出させたのは2等空尉(27)ら隊員2人とみられる。ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を入れた私用パソコンが暴露ウイルスに感染し、ネットワークに流出した。
2尉のパソコンからは、同期隊員名と携帯電話番号のほか、職種、所属基地などの一覧表や、空自の将来像などさまざまなテーマの論文、家族の写真などが流出した。
「基地警備計画」名のファイルには、隊の編成図や小銃、機関銃の数を記した「火力の編成」などの項目を含む計画案と2尉の所属、氏名が記されていた。また、飛行中に任務継続が不可能となった(アボート)際の行動をさまざまなケースに応じて規定した「アボート手順」というファイルもあった。
もう一つの流出情報には、昇任試験の模擬テストのファイルが多数収められた「試験『昇任模試1』」などのフォルダーがあった。フォルダー内には、防衛庁の訓令や武器使用など自衛隊法についての解説が記されたファイルや、「解説秘密保全に関する訓令第11条」という名のファイルまで含まれていた。
自衛隊の情報流出を巡っては、04年4月に陸自・第1普通科連隊(東京都練馬区)の訓練計画や隊員名簿などがウィニーネットワークへ流出していることが発覚。先月には海自幹部を含む6人が情報流出させたことが明らかになった。
防衛庁のある幹部は「講習や通達などソフト面での対応には限界がある。隊員がデータを持ち出せないよう、記録媒体を接続できなくするなどハード面の対応が必要だ」と話している。
【サイバーテロ取材班】
(毎日新聞) - 3月2日3時6分更新
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