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2006年02月16日(木) 03時08分

<クレジット契約>被害者ら法的責任追及 信販会社を提訴へ毎日新聞

 悪質な住宅リフォームや和服の次々販売などの詐欺的商法にからみ、信販会社が消費者の支払い能力を超えたクレジット契約を結ぶ例が後を絶たないことから、全国各地の被害者らが4月、大手信販会社などを相手取った既払金の返還訴訟を一斉に起こす方針を決めた。消費者の被害救済だけでなく、信販会社の責任を法律に明記させ、クレジット被害の再発防止につなげたい考えだ。
 一斉提訴するのは、クレジット問題に詳しい弁護士や司法書士ら100人以上で作る「クレジット過剰与信対策全国会議」(代表幹事・釜井英法弁護士)に相談のあった被害者ら。
 悪質リフォームなどで過剰なクレジット契約を結ばされた複数の被害について「悪質な販売業者だけでなく、消費者の支払い能力を超える契約を結ばせている信販会社にも法的責任がある」とし、これまでに支払った代金の返還を求めて各地で提訴する。4月25日の提訴を予定している。提訴件数は未定だ。
 全国の消費生活センターなどに寄せられたクレジットに関する苦情・相談は年々増加傾向にあり、98年度は11万5140件だったが、03年度は17万2429件。昨年発覚した埼玉県富士見市の認知症の姉妹が約5000万円ものリフォーム工事を繰り返されていた問題では、クレジットの支払いができなくなった姉妹の自宅が信販会社の申し立てで競売にかけられそうになる事態に発展。顧客の支払い能力を超えたクレジット契約を結ばせる信販会社の「過剰与信」の問題がクローズアップされた。
 クレジット取引に関するルールを定めた「割賦販売法」は、信販会社に代わって契約を交わす「加盟店」の管理に関する明文規定がないうえ、過剰与信についての基準や罰則の規定はない。日本弁護士連合会は昨年10月に同法の改正を求める緊急意見書をとりまとめたほか、経済産業省の審議会でも法改正をめぐる議論が始まっている。
 対策会議の拝師徳彦事務局長は「クレジット被害が社会問題化している今こそ、法改正の好機として一斉提訴に踏み切ることにした」と話している。
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 千葉県市原市の視覚障害者の男性(48)は不要な住宅リフォーム工事を繰り返され、大手信販会社3社と計1000万円余りのクレジット契約を結ばされた。マッサージのアルバイトなどによる年収は約360万円。男性は一斉提訴の一人に加わる予定で、弁護士は「支払い能力を調査せず、収入をはるかに超えたクレジット契約を結ばせた信販会社の責任は重い」と話す。
 97年2月から05年4月までに、計5社のリフォーム会社の営業員から計23回、1645万円分の工事契約を結ばされた。36台もの換気扇を設置され、大量の床下調湿剤を散布された。当初、現金で代金を支払っていたが、貯金が底をつくとリフォーム会社の営業員の勧めで、信販会社とクレジット契約を次々と交わすようになり、金利を含めた総返済額は1093万円に膨れ上がった。
 クレジット申込書の自署欄への署名は、筆跡が明らかに本人と異なっている。弱視で、専用のルーペがないと申込書の契約内容が読めないが、営業員から詳しい契約内容の説明は受けていなかったという。男性は「返済額がこんなに多くなっていたとは」と話す。【須山勉】
(毎日新聞) - 2月16日3時8分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060216-00000010-mai-soci