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キノコの一種、アガリクスから製造された健康食品に、発がん促進作用があることが動物実験で確認されたとして、厚生労働省は13日、キリンビールの子会社で、製造・販売元の「キリンウェルフーズ」(東京都江東区)に販売停止と自主回収を要請した。
同社によると、服用者1人が肝機能障害で死亡したとの報告が2003年11月、遺族からあったが、因果関係は不明という。
この健康食品は「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(かりゅう)」。「健康増進のため」などとして2002年7月から販売されてきたが、同年12月以降、1件の死亡例以外にも、「体調が悪くなった」など計82件の相談が同社にあったという。
アガリクス含有の健康食品で肝機能障害を引き起こす可能性が専門家から指摘されたため、厚労省は、国立医薬品食品衛生研究所で03年度からラットを使った動物実験を実施。
その結果、キリンウェルフーズの製品には、ほかの発がん物質に作用して発がん性を促進させる働きがあることを確認した。同省は13日、内閣府食品安全委員会に安全性の評価を諮問した。
同省は、広く流通している他の2社のアガリクス入り健康食品についても動物実験を行ったが、現時点では同様の作用は確認されていない。
キリンウェルフーズの製品の成分は、中国原産のアガリクス100%。同社は、ほかの3種類のアガリクス製品も含め、販売停止にして、自主回収する。4種類合計の売上高は年間約2億5000万円で、同社によると、ドラッグストアで売られているアガリクス健康食品の約10%のシェアがある。
同社の野中淳一社長は13日夜、厚労省で記者会見し、「製品がただちに健康上の問題になるとは考えていないが、厚労省の発表は事実として重く受け止めている」と語った。