2006年02月09日(木) 03時07分
<みずほ行員>顧客情報横領事件 バーで男と知り合い親密化(毎日新聞)
みずほ銀行の行員による顧客情報横領事件で、業務上横領容疑で逮捕された同行業務監査部調査役、高橋芳一容疑者(51)が、客として出入りしていた東京都内のバーで情報提供先の男と知り合い、資金調達の手助けをするほど親交を深めていたことが、警視庁組織犯罪対策特別捜査隊の調べで分かった。男は指定暴力団住吉会系のフロント企業を経営しており、同隊は顧客情報が暴力団に流れた可能性もあるとみて捜査している。【合田月美】
◇暴力団の資金源に?
男は、東京都新宿区百人町のクリーニング店経営会社「勇心愛」社長、門松学被告(39)=組織犯罪処罰法違反などの罪で起訴。
調べでは、高橋容疑者は02年ごろ、東京都内のバーに客としてたびたび訪れ、バーを経営していた門松被告と知り合った。その後、「勇心愛」に出入りするようになり、資金調達を図る門松被告に銀行口座の開設を勧めたり、融資申込書を代書するなどの親密な関係になったという。
高橋容疑者は昨年2〜3月、同行のホストコンピューターに記録されている法人と個人の顧客情報計約1200件を印字して「勇心愛」に持ち出し、門松被告に渡した容疑で8日に逮捕された。
顧客情報を横流ししたことについて、高橋容疑者は「門松被告と相談してやった」と供述、同隊は詳しい動機を追及している。
一方、同隊は顧客情報を印字した用紙697枚を「勇心愛」の金庫から押収。うち法人情報の66枚は、社名や所在地などが記載されていたが、融資残高や企業評価など同行が独自に分析したデータ部分がすべて裁断されており、同隊は流出元を特定されないための工作とみている。
門松被告は昨年6月、配下のグループが量販店からだまし取った家電製品を転売し、利益をあげたとして逮捕された。偽造クレジットカードを調達していた中国人の男(33)や「買い子」と呼ばれる実行役ら計8人も詐欺容疑で一斉に逮捕。うち4人は「勇心愛」の従業員で、別の一人は暴力団組員だった。同隊は約2億円の収益が暴力団の資金源となったとみて調べている。
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みずほ銀行は、今のところ情報が悪用された事実はつかんでいないという。情報が流出した顧客には事情を説明して謝罪する。また、問い合わせ窓口(0120・360・766)を設置。受付時間は9、10日が午前9時〜午後7時、11日以降は午前9時〜午後5時(13日以降は平日のみ)。
(毎日新聞) - 2月9日3時7分更新
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