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2006年02月08日(水) 00時00分

敷金トラブル解決法を脚本仕立てに 愛教大講師ら できあがった本を手に、執筆時を振り返る山上博信講師(左から3人目)ら 東京新聞

 家を借りたときの敷金を大家が「返さない」と言う。ホントに全額とられちゃうの? こんな疑問に答えようと愛知教育大講師の山上博信さん(39)=刑事訴訟法=ら七人のグループが「あなたにもできる敷金トラブル解決法」(現代人文社)を出版した。「敷金は古くて新しい問題。一人一人の手助けになれば」と山上さんらは話している。

 メンバーは現・元職の判事や司法書士などの肩書がある法律の専門家で、神戸を中心に活動。山上さんも神戸が出身地のため、一緒に事例研究などをしている。うち四人で三年前、借金の問題を特定調停で解決に近づけていく方法をまとめた本を出版した。

 今回はそれに続く第二弾。数十万円の敷金は、なくすには惜しいが高額の裁判費用をかけては足が出る。だからまず当事者同士で話し合い、だめなら自分で簡易裁判所に少額訴訟を起こしてはどうか、というアドバイスが本を貫く流れ。

 六部構成のうち、目を引くのは、脚本仕立てで実際の少額訴訟の流れを説明する部分。関西弁も交えた口語で原告や被告、裁判官らのやりとりを描写してあり、イメージがわく。ほかに「自分で裁判を起こすケースは多いの」「勝てるのか」という基本的なQ&Aや判例などを盛り込んだ。

 「執筆者はみんな実際の法廷を見てますから、リアルに書けたと思います」と山上さん。二〇〇四年夏ごろから、電子メールでアイデアや互いの原稿をやりとりし、一カ月に数回、神戸市の兵庫県司法書士会に集まって内容を詰めた。「不動産を扱う専門家のマニュアルにもなる内容です」とメンバーで、監修した元大阪高裁判事の大石貢二さん(71)は胸を張る。A5判、二百ページ、千七百八十五円。 (梅野 光春)

◇県司法書士会「敷金返還110番」5時間で相談50件

 県司法書士会(名古屋市熱田区)は今月二日、電話相談「敷金返還一一〇番」を実施。五時間で約五十件の相談が寄せられた。和田博恭副会長(40)は「引っ越しの時期を控えているためか、退去に備えた相談が多かった。用意した五回線が鳴り続けた」と話す。

 敷金は地域の習慣で違いがある。和田副会長によれば県内では家賃二−三カ月分が目安になっており、トラブルでは敷金から修繕費用を出す際に「部屋の損傷が入居前からあったか」「費用が妥当か」という点で争われることが多いという。

 県が八カ所で運営する「県民生活プラザ」には、敷金についての消費生活相談は二〇〇四年度で約八十件あった。〇二年度の約百二十件と比べると減少傾向になっている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ach/20060208/lcl_____ach_____000.shtml