悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年02月07日(火) 00時00分

教室でダンスゲーム読売新聞

 米国の小学校の教室は、日本とは相当に雰囲気が違う。教師の大きな執務机やソファが置かれたり、電子レンジやコーヒーポットなどが並んでいて、机の配置もバラバラ。パソコンも何台もある。なんでもありの自由な印象を受けるのだが、「教室がゲーセンにもなる」かのような事態には米国人も驚いたらしく、国中のメディアが大騒ぎだ。

 震源地はウェストバージニア州。人口200万人足らずの小さな州だが、かつて日本のゲームセンターでおおはやりだったコナミの「ダンスダンスレボリューション(DDR)」の家庭用ソフトと、ソフトを動かすマシンなど一式を州内の全公立学校765校に3年以内に順次配布すると、先週、発表した。

 肥満は米国の国民病といわれるほどだが、その中でも同州の肥満率は全米最高レベルで、肥満にかかわりのある高血圧症や糖尿病患者もトップクラス。子供のうちから運動する習慣をつけさせ、肥満防止の道筋をつけようというのが狙い。

 DDRは、音楽に合わせて画面に出る矢印の指示に従い、足を前後左右にリズミカルに動かすダンスゲーム。米国では家庭用として300万台も売れている人気ソフトだ。いかに正確に動いたかが点数化され、レベルが上がれば運動量も増えるから、楽しみつつ、やせるはずというわけだ。IT技術が健康増進にも役立つとは気づかなかった。

 実は、昨春から一部の学校で試験的に取り入れた結果も上々だったので、全面採用に踏み切ったという。総予算は50万ドルだが、州政府は支出しない。肥満による病気が減れば、保険給付が減って利益を得る民間健康保険会社や州公務員保険機構などの寄付をあてにする。コナミの米国法人も、DDRを使ったカリキュラム研究などの名目で大枚を寄付する。ここにも米国流の柔軟な学校運営の考えがうかがえる。ちなみに、コナミ本社によると、日本では公的機関からの協力要請は皆無だそうだ。(ITジャーナリスト 島田範正)

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/kougengaku/20060207nt07.htm