2006年01月28日(土) 16時19分
警察装い不審電話 子供に「友達の電話番号教えろ」(産経新聞)
奈良で多発 県警、事態を重視
奈良市内で今月に入り、警察を装って自宅で留守番している小中学生にクラスメートの電話番号や名前を聞き出そうとする不審な電話が相次いでいることが二十八日、わかった。一カ月弱で数十件にのぼり、中には「電話を切ると罪になる」と脅す悪質なケースも。奈良県警は事態を重視しており、奈良市教委でも独自に運用している保護者らを対象とした不審者情報システムを使ってメールを送信して注意を呼びかけている。
市教委によると、留守番中の子供にクラスメートの電話番号を聞き出す不審電話は数年前からあったが、昨春から急増。緊急時に子供が駆け込む「子ども110番の家」やPTA役員、担任教員、宅配業者などを名乗るケースがほとんどで、奈良市では一カ月当たり数件から約四十件が報告されていた。
ところが、同市内では今月に入ってさらにこうした電話が集中。五十件程度にものぼるが、このうちの大半が「警察」を装っているという。
具体的には、「県警」や「警察」と告げて架空の氏名を名乗る。「電話を切ったら罪になる」と脅すほか、「今から話すことを全部録音する」「クラスメートの電話番号を教えなければあなたの家に行く」として強要する悪質なケースも多い。実際に友達の名前と電話番号を教えてしまった子供もいたという。
さらに「ゲームをあげると言ってクラスメートの電話番号を聞き出す不審電話が多いので、注意を呼びかけたい」などと、不審電話を逆手に取って番号を探ることもあるという。
電話は子供が帰宅する午後三−五時半ごろに集中。小学生が電話を受けた時が最も多く、市内の特定の学区内では、二日間で十数件かかったこともあったという。
こうした事態は奈良署も把握しており、市教委に注意喚起を要請。市教委は二十五日に、不審者情報システムに登録している保護者ら約五千人にメール送信して不審電話の頻発を伝え、注意を呼びかけた。
不審電話については、名簿業者に売るために個人情報を集めているグループが存在するとの見方がある。
市教委少年指導センターでは「個人情報保護法の施行でプライバシーは聞き出しにくくなっているため、警察という権力を利用するようになったのではないか。警察と言われれば子供は動揺する。そこにつけ込んだ悪質なやり方だ」としている。
(産経新聞) - 1月28日16時19分更新
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