2006年01月25日(水) 13時47分
オープンソース版『Flash』プレーヤーの開発が進行中(japan.internet.com)
Macromedia (買収を受けて現在は
AdobeSystems ) の『Flash』は、人気と普及度ともに最も高いリッチメディア プラグインの1つで、 ほぼ全てのプラットフォーム上のあらゆるブラウザに対応している。
そんな本家 Flash に対抗する形で、
FreeSoftwareFoundation (FSF) は今、フリーソフトウェア版 Flash プレーヤー『
GNUGnash 』を精力的に開発中だ。GNU Gnash の開発は、いかなる支援やサポートも Adobe から受けないまま進んでいる模様だ。Adobe/Macromedia の広報担当に取材を申し込んだが、コメントを得ることはできなかった。
Adobe の Flash プレーヤーは、最初のリリース時から常にフリー (無料) で提供されてきた。しかし、フリー (自由) かつオープンソースなソフトウェアの観点から見た「フリー」ではなく、クローズドソース (ソース非開示) ライセンスに基づくプロプライエタリ (専有的) なアプリケーションだ。
それに対して、GNU Gnash は、『GNU GPL』(GNU 一般公衆利用許諾契約) ライセンスに基づいてソースを開示している
プロプライエタリなライセンスに基づくアプリケーションと、GPL に基づくアプリケーションを一緒に配布する場合、また何らかの形で一緒に利用する場合にも、ライセンスの扱いにかなり大きな困難がある。GNU Gnash は、Flash に関して、この種の困難を解消するものだ。
GNU Gnash プロジェクト管理者の Rob Savoye 氏は、取材に対し次のように述べている。「Gnash は、GPL バージョン2のもとでライセンスされており、FSF が著作権を持つ。したがって Gnash プレーヤーを使うことは誰でもできる。ただし、そのソースコードは、GPL に基づく他のフリーソフトウェア プロジェクトでしか利用できない」
FSF が GNU Gnash の開発に力を入れていることは、
優先度上位6プロジェクト の1つに GNU Gnash を挙げていることからも分かる。なお、FSF は、
GPLの見直し にも取り組んでいるところだ。
Savoye 氏は
メーリングリストへの投稿 の中で、Gnash のコードについて、既存の Macromedia のプレーヤーを解析して得たものではないと述べている。そして、自分は「ベンダーの独占的資料に触れたことの無い開発者」であり、過去1度も「Macromedia のツールを所有したことも、ライセンス契約に署名したことも、Macromedia 製品を解析したこともない」と強調するとともに、次のように記している。
「Gnash の開発については、自由に利用できる文書とツールのみを使って行なっている。したがって、Gnash は、非開示型のプロプライエタリなフォーマットのフリーな実装になり得る」
Gnash プロジェクトは現在、Adobe/Macromedia の Flash 最新版バージョン8より1世代前の Flash ファイル (拡張子 swf) のバージョン7対応に注力している。
■関連記事
携帯公式サイト「モバイル美術館」サービス開始
財布に入れて持ち歩ける USB ドライブ
GNU GPL Version 3、ドラフト第1版が公開
Adobe、業務文書のデジタル知的財産権管理技術を買収
ピーアンドエー、テンプレートから Flash ベースの Web サイトを構築するソフト
デイリーリサーチバックナンバー、コラム、セミナー情報等はこちらから
http://japan.internet.com/
デイリーでお届けする最新ITニュースメールの御購読申込はこちらから
http://japan.internet.com/mail/newsletters.html
(japan.internet.com) - 1月25日13時47分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060125-00000006-inet-sci