2006年01月14日(土) 13時52分
道警の覚せい剤捜査記事「不適切」、道新がおわび掲載(読売新聞)
北海道新聞社(本社・札幌市)は14日付の朝刊で、北海道警と函館税関の覚せい剤捜査を巡る昨年3月の記事について、「記事の書き方や見出し、裏付け要素に不十分な点があり、全体として誤った印象を与える不適切な記事と判断した」とするおわび記事を1面に載せるとともに、第2社会面に社内調査報告の内容を掲載した。
同社は、昨年3月13日付朝刊社会面トップで、道警と函館税関が2000年4月ごろ、「泳がせ捜査」に失敗し、その結果、覚せい剤約130キロと大麻約2トンが道内に流入し、密売された疑いがあると報じた。
道警は、記事掲載後、「記事は事実無根」として訂正と謝罪記事の掲載を要求。これを受け、同社が社内調査を進めていた。
社内調査報告の記事では、捜査関係者の証言の多くは伝聞に基づくものであり、麻薬特例法に基づいた組織的な「泳がせ捜査」が行われたとの確証は得られなかったと指摘。一方で、「泳がせ捜査」がなかったという確証も得られなかったとしている。
新蔵博雅編集局長のコメント「社内調査の結果、全体として説得材料が足りず、不適切なものであったとの結論に至りました。疑いを裏付ける続報を展開し得なかった力不足についても素直に反省いたします。編集局を挙げて取材力の向上に努め、読者の信頼に応えていきたいと思います」
岩田満・道警広報課長の話「泳がせ捜査の事実は全く存在しないことから、抗議を行い、記事の訂正、謝罪を申し入れたが、今回の記事によれば、訂正も行われておらず、道民の誤解を解くものとは言えない」
(読売新聞) - 1月14日13時52分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060114-00000307-yom-soci