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2006年01月13日(金) 03時11分

<外為証拠金業者>相次いで雲隠れ 警視庁が詐欺容疑で捜査毎日新聞

 経営破たんした外国為替証拠金取引業者が相次いで雲隠れし、多数の投資家に被害が広がっている問題で、警視庁は東京都内の2社について詐欺容疑などで捜査に乗り出した。この業界は、昨年7月まで監督官庁がなかったため悪質業者が乱立し、最近になって顧客の被害が表面化している。警視庁は高配当をうたいながら、資金を持ち逃げする詐欺的経営が被害の背景にあるとみている。【三木陽介、石丸整】
 捜査対象となっているのは「シーティーアイ」(東京都中央区)と「ジャスティオン・プリヴェ・ジャポン(GPJ)」(千代田区)。2社だけで被害者は計約2300人、被害総額は約309億円に上る。
 シーティーアイは01年12月設立。昨年1月以降だけでも約700人から計9億円を集めたとみられるが、昨年5月に実質オーナーが突然、行方不明になり、会社からも社員らが姿を消した。
 このため、投資家7人が先月、「計画的な詐欺だ」として、実質オーナーと幹部社員の計7人を詐欺容疑で警視庁に告訴し、受理された。投資家側の弁護士によると、同社は米国の会社に資金の運用を委託していると宣伝していたが、委託自体が虚偽だった疑いが強い。同社の口座には4万円しか残っていなかったという。
 GPJは約1600人の顧客から計約300億円を集めたとされるが、昨年7月に社長が所在不明になった。債権者集会での破産管財人の説明によると、投資金が運用された形跡はなく、社長の関連会社に送金されたり、絵画や宝飾品の購入に充てられていた。同社は02年9月に設立され、「外国為替取引で1カ月で16%の収益が上がる」などと高配当をうたっていた。
 外国為替証拠金取引は外国為替取引の規制を緩和した98年の外為法改正をきっかけに生まれた新金融商品。業者は、投資家が出資した証拠金の数倍〜数十倍の外貨を売買する。ハイリスク・ハイリターンの投資形態として顧客を増やし、業者は一時、400以上に上ったという。
 しかし経営実態の不透明な業者が多く、昨年7月から、金融先物取引法の規制対象に加えられた。これにより事業が登録制になったほか、債務超過や強引な電話勧誘をした業者には各地の財務局が業務停止命令などの行政処分を科すことができるようになった。
 金融庁によると、昨年12月までに行政処分を受けた業者は全国で54社。大半が債務超過に陥り、破産手続きに入ったか、申請中だという。シーティーアイやGPJのように法改正直前に「駆け込み倒産」して当局が具体的に把握していない業者も含めると、倒産業者は少なくとも60社、負債総額650億円以上に上るとみられる。
(毎日新聞) - 1月13日3時11分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060113-00000013-mai-soci