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2006年01月12日(木) 14時33分

危うい「モデル募集サイト」、少女の被害増加読売新聞

 インターネット上で、撮影モデルを希望する女性と撮影する男性が情報交換する専門サイトが増えており、18歳未満の少女が書き込みをしているサイトもあることが、インターネット協会(東京)の調べでわかった。

 モデル名目で少女を誘い出し、少女と性交渉したり、ホテルなどで強引な撮影をしたりする事件も起きており、ネット上でのモデル募集が、児童買春などを誘う書き込みを禁じた出会い系サイト規制法の抜け道に利用されているとして、警察が警戒を強めている。

 同協会では今月10日、検索専門サイトにモデル募集にかかわるキーワードを入力し、表示された上位100サイトの中身をすべて調べた。その結果、不特定のモデル希望者と撮影希望者が情報交換する内容のものが14サイトあり、このうち18歳未満の少女も対象になっているものが8サイトあった。撮影側が制服などのコスチュームを希望、少女側から水着や下着姿などの格好と報酬額を提示するなど問題のある内容だった。 昨年、神奈川、奈良県警などが摘発した児童ポルノ製造販売事件では、児童買春・児童ポルノ禁止法違反などで逮捕・起訴された男(公判中)が、サイトに「モデル募集」と書き込み、報酬5万〜10万円を提示して、18歳未満の少女100人以上を集めていた。男は、「男優」の別の男が少女に淫行(いんこう)させる姿や、嫌がる少女を暴行する様子を撮影してビデオで販売。この画像はネット上にも流出したため、少女たちの被害画像は今も“回収不能”の状態にある。

 神奈川県警の幹部は、「同様の被害がここ数年増えているが、統計上は表面化していない」と指摘する。少女が事前に金銭授受の約束をしたり、黙ってホテルについていったりするケースが多いため、婦女暴行罪の立証が難しいほか、親に言い出せず、告訴に至らないケースも多いからだ。この幹部は「軽い気持ちで面識のない男と会い、被害に遭う少女が多い」とも指摘する。

 モデル募集の専門サイトには、18歳未満の書き込みを禁じ、見つければ削除しているものもある。しかし、同協会では「携帯電話のサイトは野放図に近い」とし、「ネット上では年齢を偽ることも簡単なため、利用実態の全ぼうは把握できない」としている。

 ネット犯罪に詳しい奥村徹弁護士は「出会い系サイト規制法の抜け道に利用されている。規制対象を広げる方法もあるが、(モデル以外の)別の名目はいくらでもあり、問題解決は難しい」と話している。

 ◆14歳「怖いけど、小遣いが足りない」◆

 昨年、記者の取材に応じた東京都内の中学3年の女子生徒(14)は、インターネットのモデル募集掲示板に「ヌードなし、1時間5000円以上」などと書き込み、4人の男性と会ったと打ち明けた。

 「まず電話で話し、怪しいと感じたら会わない」などの防衛手段を講じているというが、40歳代の男からホテルの部屋でヌード撮影を迫られ、「このくらい(金を)払えば、普通はやるぞ」とすごまれた。報酬として渡された封筒の中身が紙切れだったことも。女子生徒は「ホテルに入ったら、男が集団で待っていて乱暴された友達もいる」と話し、「怖い部分もあるけど、欲しいものを買うには小遣いが足りない。これは親への反抗だから」と目をそらした。

 子どもの性被害の問題に取り組む「ECPAT/ストップ子ども買春の会」の宮本潤子共同代表は「体は大人でも、判断力は子ども。いざとなると、勢いにまかせたり、だまされたりしてしまう。大人が実態を知らせ、本気で注意を促す必要がある」と話している。
(読売新聞) - 1月12日14時33分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060112-00000005-yom-soci