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2006年01月11日(水) 10時38分

脱法ドラッグ「RUSH」輸入元を告発へ読売新聞

 若者の間で乱用が問題となっている脱法ドラッグ「RUSH(ラッシュ)」を、東京都新宿区内の化粧品輸入販売会社が米国から大量に輸入していたことが、厚生労働省の調べで分かり、同省は、この会社を薬事法違反(無承認無許可医薬品の販売など)の疑いで警察当局に刑事告発することを決めた。

 脱法ドラッグで同省が刑事告発するのは初めて。RUSHは、吸引すると死亡する危険もあるとされ、警戒を強めていた同省は、米政府との連携で、輸入元まで初めて突き止めた。同省は、この会社が人体に使用されると知りながら輸入したと断定、薬事法の適用が可能と判断した。

 厚労省や米・消費者製品安全委員会(CPSC)の調べによると、同社は、RUSHを米インディアナ州の製造元から横浜港経由で輸入、別の業者に転売していた疑いが持たれている。同社は国内流通分の大半を輸入、末端での販売額は年数億円以上とみられる。

 厚労省は昨年6月、CPSCから寄せられた情報を基に調査を開始。9月に同社幹部から事情を聞いたが、「購入者が吸引していることは知っているが、芳香剤として輸入しているだけ」として販売中止に応じないため、告発に踏み切ることを決めた。

 同社役員は10日、読売新聞の取材に「あくまで防臭剤で、末端の使い方まで知らない。心臓がどきどきするだけで、重大な事故があったとも聞いていない」と話した。

 RUSHは、亜硝酸エステル類を含む揮発性の液体。吸引すると多幸感が高まるが、血管拡張の作用によるもののため、血圧が急低下し、死に至る危険もあるとされ、米国内では製造販売が禁止されている。同省は国内での被害例を把握していない。

 厚労省によると、輸入価格は9ミリ・リットル入りで1本200円。卸売業者には1本500円で転売され、末端では2000〜3000円で取引されているという。

 同社が昨年9月、横浜港から輸入しようとして税関に差し止められた積み荷からは、1万4000本が見つかった。

 国内では現在、100種類ほどの脱法ドラッグの流通が確認されており、若者を中心に乱用が深刻化している。厚労省は、防臭剤、芳香剤名目などでの輸入・販売でも業者を摘発できるよう、近く薬事法を改正する方針だ。
(読売新聞) - 1月11日10時38分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060111-00000001-yom-soci