2006年01月10日(火) 16時20分
家電量販店:あいまい値札、改善を 価格不表示品が56%−−公取協調査 /群馬(毎日新聞)
「さらに値引き」などあいまいな値札をつけて実際の価格表示がない商品が県内の家電量販店で半数を超えていることが、全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)県支部の「正しい表示店頭キャンペーン」調査結果で分かった。大手家電量販店の熾烈(しれつ)な価格競争を反映した形だ。
調査は、消費者に分かりやすく適正な表示で公正な価格競争を確保しようと、公正取引委員会の認定団体である同支部が毎年実施している。昨年11月25日に前橋、高崎、伊勢崎、太田、富岡、吉岡、笠懸の各市町内の計9店舗を抜き打ち調査。薄型テレビ、冷蔵庫、洗濯機の3商品と新聞折り込みチラシを対象にした。
店頭調査では、9店舗すべてで「この価格よりさらに値引きします」など実際価格の不表示商品があり、対象商品1660点のうち56%の931点に及んだ。販売競争の激しい薄型テレビで特に目立ち、66%が価格不表示。9割以上が不表示だった店もあったという。不表示は冷蔵庫で50%、洗濯機は47%だった。
「さらに値引き」表示は、その場で販売員に尋ねることができるため違法ではない。だが、「消費者からは『他の客より高く買わされているかも』『値段を比較しにくい』と不信の声がある」(同支部担当者)という。家電公取協の自主規約では販売価格を必要表示事項と定めており、規約違反(罰則なし)になる。
一方、撤廃済みのメーカー希望小売価格を掲示して二重に値引きするかのように装った景品表示法違反(不当表示)も3店舗9件見つかり、同支部が是正を指導した。
販売店側からは「価格競争が激しく、表示したくてもできないのが実情」「安売り競争は消費者が望んでいる」との釈明があったという。同支部は「分かりにくく紛らわしい価格表示では消費者がきちんと比較して選ぶことができない。今後も改善を呼びかけたい」としている。【藤田祐子】
1月10日朝刊
(毎日新聞) - 1月10日16時20分更新
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