2005年12月16日(金) 14時53分
不完全燃焼時の停止装置備えず…松下の石油温風機(読売新聞)
一酸化炭素中毒事故が相次いでいる松下電器産業製のFF(強制給排気)式石油温風機は、不完全燃焼を感知して運転を停止する安全装置を備えていなかったことが、わかった。
給排気口が室外にあるため、一酸化炭素が室内に漏れることを想定しておらず、安全性を認証する財団法人・日本燃焼機器検査協会(神奈川県)の検査基準でも搭載を義務づけていなかった。同協会は一連の事故を重視、検査基準の再検討を始めた。
業界主導で組織した同協会の検査基準は、FF式温風機に対し、炎の大きさなどを感知し、異常な状態になった場合に運転を停止する燃焼制御装置の搭載を求めている。1985年から92年に製造された松下電器製のリコール対象機種にも、この制御装置が搭載されている。
しかし、制御装置だけでは、不完全燃焼のすべての状態を感知することができないといい、三洋電機は73年、三菱電機は86年から、FF式温風機にも、より精度の高い「不完全燃焼防止装置」を搭載している。不完全燃焼防止装置は、不完全燃焼を検知すると自動的に燃料供給を遮断し、運転を停止する仕組みになっている。
同協会では、室内で給排気するファンヒーターなどには、すでに搭載を義務づけているが、松下電器は「新鮮な空気が常に供給されるFF式は、室内給排気式とは燃焼状態に相違点があり、その技術を応用できなかった」としている。
(読売新聞) - 12月16日14時53分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051216-00000509-yom-soci