2005年12月14日(水) 18時31分
ケータイさえあれば世界中どこでもいける!? NTTドコモ夏野剛氏が示すi-modeの未来—C&C賞受賞記念講演(RBB TODAY)
C&C賞受賞記念講演の最後に壇上に上がったのは、NTTドコモ執行役員でありプロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長である夏野剛氏。同氏は、i-modeの開発と一連のサービスモデルの創出、ひいては携帯電話ネットワークのデジタル化、パケット化、IP化と言うインフラの更新機運を高めた功績などが評価され、榎啓一氏や松永真理氏と共に同賞を受賞した。
榎氏と永野氏が直前にそれぞれ講演を行っていたこともあり、i-modeの戦略や現状分析など、内容的に重複する部分は駆け足で紹介するにとどめた。
講演のテーマであるi-modeの未来については、夏野氏が書いた小説「ケータイの未来2020」で示した未来のケータイを説明する形をとった。
まずはI/Oの劇的な変化だ。これは主にディスプレイとキーボードのことだという。これらは、現在のケータイの大きさを制限している2大要素だ。同氏は、現在の液晶では、テレビを見るには画面が小さ過ぎるが、物理的に大きなディスプレイを付けると人の手に余るとして、バーチャルディスプレイとバーチャルキーボードに期待を寄せる。そして、より大きなディスプレイを持ち歩き、必要に応じて接続するというアイデアには否定的だ。これは、人が持ち歩くものには限りがあるという考え方に基づくもので、この点では、先に講演を行った榎氏も同意見であった。
次に電池。燃料電池などの開発も進んでいるが、夏野氏の見据える方向は少し異なる。ケータイをボード上に置いただけで充電できる非接触充電装置の普及に可能性を見出しているという。
また位置検索サービスの一般化も予想する。「奥さんに居場所を知られるのが嫌だ」という意見も聞かれるが、それはケータイ普及期に「どこにいても電話がかかってくるのは嫌だ」と言っていた人が今やケータイを持っていることを例に挙げ、いずれそうした意見も聞かれなくなるはず、とした。
そして最後に、「ケータイ一つ持っていればどこでにでも行ける世界」を創造すること。「それがi-modeの未来になる」と締めくくった。
なお、現在は、おサイフケータイ一つで家を出ると、SuicaでJRとモノレールを乗り継ぎ羽田空港まで行き、Edyで空港内の売店で買い物をし、航空会社のチェックインができる(モノレール内でメールによるチェックインを利用すればゲートもケータイをかざすだけで通れる)。そのまま飛行機に乗り、伊丹空港までは行けるという(もちろん全国どこの空港でもOKだと付け加えた)。しかし、まだ伊丹空港から先の大阪モノレールがICOCAに対応していないため、そこで足止めになるという。
(RBB TODAY) - 12月14日18時31分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051214-00000017-rbb-sci