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耐震強度偽装が十二日、新たに判明した世田谷区北烏山の分譲マンション「グランドステージ千歳烏山」(五階建て、三十一戸)で、同区側が再計算した耐震強度と、建築主のヒューザー(千代田区)側が再計算した耐震強度との間に大きな食い違いがあることが分かった。同区は「ヒューザー側の再計算は、耐震強度の水増しに近い」と指摘している。
同区は一連の問題発覚後の十一月、姉歯秀次元建築士が関与した同マンションを調査。構造計算書を、指定確認検査機関のイーホームズ(新宿区)から取り寄せて点検したが、偽装を見抜けなかった。
一方、入居者によると、ヒューザーは十一月末ごろ、「独自に再計算した結果、建物の耐震強度の検証値が最小の部分で0・62と分かった」と入居者に通知した。この数字は、国土交通省が「震度5強で倒壊の恐れがある」とした数字0・5よりは、耐震強度が高いことを示している。
ところが、住民の要望を受けて区が十二月になって設計会社に再計算を依頼したところ、検証値が最小で0・343しかないことが判明。十一日に急きょ住民説明会を開き、十二日に公表した。
同区建築調整課によると、ヒューザー側の再計算では、鉄筋や太さが不足している弱い柱や梁(はり)を「十分な強度がある」として計算している、などの問題点があるという。
十一日の説明会に出席したヒューザー側の担当者は、区の指摘に強い不満を示したという。
マンションの住民からは「ここに住み続けられるか、(区とヒューザーの)二つの数字で大きく違う。どちらを信じればいいのか」と、戸惑いの声が上がっている。 (大原 啓介)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20051213/lcl_____tko_____004.shtml