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春のホリエモン騒動、先ごろの楽天—TBS問題などに刺激されてか、民放キー局のネット進出が加速している。電通やインデックスを軸とした新会社への参加で、間口を広げようという動きも相次いでいる。
しかし、NHKですら、所蔵する60万本の番組中、著作権をクリアしたものはわずか5000本ということから分かる通り、過去の人気番組を自在にネット転用することは極めて難しそうだ。これが、「放送と通信の融合」の前進を阻むネックなのだが、米国のCNNテレビが今週から開始した文字通りの融合サービス「パイプライン」には驚かされた。
まず、CNNの本放送を模した生放送が4チャンネル同時に流れ、好きなものを選べるのがすごい。主画面の周りに局が選んだ15のお勧めニュースや今日のトップ項目などが小さく表示され、クリック一つで主画面で見られる。16の分野別に配信中の項目が一覧表示でき、ここからも選べたり、9月以降の全項目を検索して見られるなどの機能がテンコ盛り。画質も上々。
実は、CNNは6月からニュースビデオの無料配信を始めていた。だが、視聴者は1本見るごとに30秒の動画CMを先に見ることを強制される。有料化でこの不便さをなくし、様々な機能を加え画質も上げて集客しようというわけだ。料金が月3ドル、年間25ドルと手ごろなのも魅力的。
遅く帰宅してはニュース番組を見損なうことが少なくないので、日本でもこういう上質なサービスがあればうれしい。NHKも民放もニュースのネット配信をしているが、ネットに上がるまで相当の時差があるし、画質も悪く、アーカイブ機能もないなど、商売っ気がなさ過ぎる。
権利関係の難しい番組提供に苦労するより、取りあえずはニュースをネットでビジネスにすることが考えられてもいいのではないか。出来ればNHKも含めて全局のニュースが1か所で、整理された体裁で見られればもっとうれしい。
どうです電通さん。(ITジャーナリスト 島田範正)
http://www.yomiuri.co.jp/net/column/kougengaku/20051213nt04.htm