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「なんで姉歯氏一人だけなんでしょうか」。墨田区の「グランドステージ東向島」(三十六戸)住民の男性(33)は語気を強めた。「姉歯氏に仕事を投げた設計事務所の責任も、追及してほしい」
別の男性(45)も「真相を解明し、今後の損害賠償請求のためにも、(姉歯氏以外にも)具体的な個人名を明らかにしてもらいたい」と希望する。
稲城市の「グランドステージ稲城」(二十四戸)に住む女性も、「かかわった人たち全員の責任をきちんと追及してほしい」と期待する。
一方で七十代の男性は「告発は当然」としながらも、「営利を求める民間に検査業務を開放した、国の責任がなくなるわけではない。制度を正さなければ、再び同じ問題が起きる」と危惧(きぐ)した。
四十代の男性は「もう少し早くてもよかった。捜査の手が伸びる前に、関係者が証拠隠滅した可能性もあるのでは」と指摘。「政治家の関与も含めて、とかげのしっぽ切りにならないようにしてほしい」と話した。
ただ、「罪に問うことはできても、(ヒューザーなど関係者に)補償の支払い能力はない。安心できる生活を取り戻すのが住民の願い。苦しい立場に変わりはない」と複雑な思いを吐露した。
港区芝大門二の賃貸マンション「ステージ大門」では、すでに全八戸が退去。建築主のシノケン(福岡市)は今月中旬から解体に着手する方針を示しており、地元町会と工事協定書を結ぶ準備を進めている。しかし捜査対象となり、解体が遅れる可能性が出てくる。
町会の菊嶋宏会長(74)は「解体の計画に支障が出ないか心配。近隣としては一刻も早く解体してほしい。今後、この建物がどうなるのか、説明がほしい」と不安げだ。
港区建築課も「区民の不安を取り除くため、できるだけ早く解体してもらう考えは変わらない。現場検証は解体と並行して進めてもらいたい」と話す。
中央区のホテル「京王プレッソイン茅場町」も対象となった。同区建築課は「(国交省に)事前に知らせてほしかった」としつつも、「行政の調査には限界がある。今後の捜査での全容解明に期待したい」と話した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20051206/lcl_____tko_____000.shtml