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2005年12月01日(木) 00時00分

【関連】国認定ソフトで偽造可 耐震強度 日本ERI明かす 『姉歯』使用と同一 東京新聞

 構造計算書の偽造問題で、民間最大手の検査機関「日本ERI」(東京都港区)は、姉歯秀次一級建築士が偽造に使用したのと同一の国交相認定プログラム(ソフト)のデータを別のソフトにコピーし、パソコン上で部分的に数値を改ざんしてから元の認定ソフトに戻すと、「エラー」にならずに構造計算できることを明らかにした。

 国認定ソフトを使っていることを示す認定番号なども印字されるといい、本物と見分けがつかない構造計算書の作成が可能になる。姉歯建築士が偽造に用いたのは、代表的な国交相認定ソフト十数種のうち、多くの建築士が構造計算に使う人気ソフトで、同社の説明が事実なら、国の認定制度の信用性を揺るがす事態となる。

 同社によると、最終的に建築基準法が求める建物の耐震性の値にするため、姉歯建築士が偽造した構造計算書は、途中の計算過程でエレベーターの近くの壁の重量を減らしたり、床荷重などの部分的な数値を広範囲に改ざんした疑いが強いという。

 姉歯建築士が実際に用いた方法は不明だが、同社がこの認定ソフトのデータを他の専用ソフトにコピーして各種の数値を加工して元のソフトに戻すと、改ざんされた数値をもとに計算されていったという。

 この手口だと、すべての計算過程を丹念に見なければ改ざんに気づけず、民間で二週間程度、自治体で最大三週間という現在の審査期間では到底審査しきれないとみられている。国認定ソフトで計算された構造計算を審査する時、自治体や検査機関は計算過程の審査を省略できるが、認定ソフトによるデータが簡単に偽造できることになると、省略制度の廃止を含めた現行制度の見直し論議に影響を与えるのは必至だ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051201/eve_____sya_____002.shtml