2005年11月21日(月) 00時57分
<耐震偽造>震度5強で倒壊、新たに2棟 「シノケン」発表(毎日新聞)
姉歯(あねは)建築設計事務所(千葉県市川市)による耐震構造計算書の偽造問題で、不動産会社「シノケン」(福岡市博多区)は20日、同社が建築主となったマンション2棟が震度5強程度の地震で倒壊の危険があると発表した。国土交通省は既に千葉県船橋市と川崎市のマンション2棟が同様の危険性があると公表している。これで、偽造があった完成済み14棟(1棟はホテル)のうち、震度5強の地震で少なくとも計4棟が倒れる危険にさらされていることになる。
国交省は残りのマンションなどの強度を確認する作業を急いでいる。
またシノケンは、マンション所有者に対し売買契約を解除して購入代金を全額返還することも表明。入居者には退去要請を行うとともに、代替転居先を確保し、費用を相談のうえ負担する。偽造問題発覚後、具体的な補償問題について触れたのは初めて。
危険とされたのは、いずれも賃貸型の東京都新宿区西早稲田3にある「スカイコート西早稲田」(47戸)と同港区にあるマンション。シノケンは同社が建築主となった4棟について専門機関に独自に再計算を依頼。中間報告で2棟が震度5強程度の中地震で崩壊の恐れがあると判明した。
残りの2棟(東京都港区、渋谷区)についても調査結果が分かり次第公表する方針で、同社は4棟すべてが倒壊の恐れがあると判明した場合、補償や再建築などで約32億7000万円かかると試算している。同社によると、調査の過程で、指摘された4棟以外に、都内で4棟の構造計算書を姉歯事務所が手がけていたことも判明し、独自調査を進めている。
また、国交省が倒壊の恐れを指摘した「湊町中央ビル」(千葉県船橋市)の建築主の不動産会社「サン中央ホーム」(同)は20日、57世帯の全入居者に対し、費用を負担したうえで移転してもらうことを明らかにした。同社は、自社物件への移転は転居費用を、他社物件への移転は礼金、敷金、仲介料も負担するとしている。【大平誠、倉田陶子】
(毎日新聞) - 11月21日0時57分更新
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