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2005年11月19日(土) 00時00分

内閣府の幹部略歴 公開請求に対し非開示決定読売新聞

 内閣府は、幹部の略歴開示を求めた情報公開請求に対し、生年月日、最終学歴と卒業年次、本籍・出身地の都道府県名を非公開とすることを決定した。今春まで報道発表していた内容だが、7月の幹部人事発表の際に非公開としたため、読売新聞記者が情報公開制度に基づき、請求していた。

 非公開によって、研究者や一般市民が、重要な施策決定に携わる省庁幹部の年齢や最終学歴を知ることができなくなり、人事上の偏りなど官僚機構のチェックが困難になる。個人情報保護法を所管する内閣府の決定だけに、他省庁の判断に影響する可能性もある。

 請求に対し、内閣府は、7月に非開示とした上級職かどうかなど採用区分は公開したが、「年齢や学歴、本籍・出身地は職務に関係がない」として、生年も公開しなかった。

内閣府幹部の略歴非公開 誰のため? ずさん黒塗り 個人情報保護隠れみのに

 重要な施策決定にかかわる中央省庁の幹部なのに、生年月日も最終学歴も出身県も教えない。個人情報保護関連法が4月に全面施行されて以降、内閣府がとってきた情報公開への消極姿勢は、個人情報保護を隠れみのに身内の情報隠しに走る"官"の実態を浮かび上がらせた。

 請求に対し、公開された国民生活局の課長級以上の職員(8人)の略歴は、局長ら最高幹部を含め、生年月日、本籍地の都道府県、大学名と卒業年次が、黒く塗りつぶされていた。「何歳だからその役職に就くということはないし、本籍や学歴でということもない。以前は報道機関には提供していたかも知れないが、一般に答える場合はもともと名前と役職名程度にとどめている」と、内閣府の情報公開担当者は説明する。

 だが、公開された文書は、光に透かすと黒塗り部分が読めるずさんなもので、もし一般市民のプライバシーにかかわることなら、到底許されない。担当者自身、本当に幹部の生年月日などを保護すべき個人情報と思っているのか、疑問が生じる内容となっている。また、内閣府の人事担当者は、公開しなかった情報について「本人が同意すれば報道機関には提供する」としているが、既に生年月日の提供を拒んでいる局長級幹部もいるという。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6000/fe20051119_01.htm