2005年11月18日(金) 03時29分
「耐震性」偽造か 14棟、震度5強で倒壊の恐れ(産経新聞)
首都圏に建設されたマンション二十棟とホテル一棟について、建築物の安全を保つための「構造計算」を担当した千葉県の一級建築士(48)が、計算書を偽造していた疑いが強いことが、十七日分かった。うち十四棟は完成済みで、震度5強の地震で倒壊する恐れがあるなど耐震性に問題が生じており、所在地の各自治体が居住者らへの連絡を始めた。国土交通省などは建築基準法違反の疑いで、この建築士や、チェックを怠った複数の設計者らを警視庁に刑事告発する方針。
問題の建築士は「姉歯建築設計事務所」(千葉県市川市)の一級建築士。下請けなどで建物の構造計算を行ったが、耐震に関するプログラムを意図的に変更し、強度などが低くなるよう設定したとされる。
同事務所は建築士個人で運営。千葉県の立ち入り調査にホテル以外のマンションについて計算書偽造を認め、「コスト削減のプレッシャーがあった」などと話しているという。
ほかにもマンション一棟について偽造の疑いがあるほか、別の建築物約九十棟についても構造計算にかかわっており、国交省で調べている。
今回、偽造の疑いが判明した建築物は東京都内十一棟(ホテル含む)、千葉県内六棟、神奈川県内四棟。マンション四棟が工事中、三棟が未着工。建築済みの十四棟のうち、千葉県船橋市湊町の湊町中央ビルと、川崎市のマンションの計二棟は、いずれも建築基準の三割から七割程度の強度しかなく、震度5強の地震で倒壊する可能性が確認された。
(産経新聞) - 11月18日3時29分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051118-00000023-san-soci