悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年11月11日(金) 00時00分

手錠姿は肖像権侵害 最高裁初判断 東京新聞

 和歌山毒物カレー事件で死刑判決を受けた林真須美被告(44)=上告中=が、法廷内の隠し撮り写真とイラストを写真週刊誌に掲載され、肖像権を侵害されたとして、発売元の新潮社などに損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が十日、最高裁第一小法廷であった。島田仁郎裁判長は、訴訟対象となった写真一点、イラスト三点のうち、手錠、腰縄姿の写真とイラストについて肖像権を侵害したと判断。すべての写真とイラストを違法として、同社に四百四十万円の支払いを命じた大阪高裁判決の一部を破棄、審理を同高裁に差し戻した。

 島田裁判長は肖像権侵害の基準を「撮影される人の社会的地位や撮影の場所、目的を考慮し、社会生活上の我慢の限度を超える場合」と判断。手錠、腰縄姿の写真一点とイラスト一点は「原告を侮辱し、名誉感情を侵害している」と認めた。最高裁が肖像権の保護の範囲や侵害の基準を示したのは初めて。

 ほかのイラスト二点については、「法廷内で描いたイラストの掲載は社会的に認められている」と違法性を認めなかった。

 判決によると、新潮社は一九九八年十一月、和歌山地裁に出廷した林被告を裁判所の許可を得ずに撮影した。翌年五月、写真週刊誌「フォーカス」(休刊)に掲載した。同年八月には同被告のイラスト三点を掲載した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051111/mng_____sya_____005.shtml