2005年11月07日(月) 12時03分
<リフォーム詐欺>「幸輝」元従業員2人を逮捕 埼玉県警(毎日新聞)
大手住宅リフォーム会社「幸輝」(大阪府吹田市)のリフォーム詐欺事件で、埼玉県警生活環境2課と東入間署は7日、詐欺と特定商取引法違反(不実の告知)容疑で、元従業員の白石友一(37)と上條陽介(27)両容疑者を逮捕した。また、東京都大田区の同社東京支店などを捜索している。
京都府警も7日、別の特定商取引法違反(不実の告知)容疑で本社の捜索に着手した。同社は、悪質リフォームの被害に遭い、全財産約4000万円を失った同県富士見市の認知症の老姉妹と契約を交わした19業者の一つで、各地の消費生活センターにも相談が相次いでいる。県警と府警は、関係資料を押収して分析し、急成長を続けてきた同社の実態解明や組織的な関与がなかったかも捜査する。
埼玉県警の調べでは、白石容疑者は04年10月ごろ、同県上尾市の男性(71)方を訪問。「屋根裏が腐っている。地震が来ると家が崩れる」とうそを言って補強工事の契約を交わし、上條容疑者が屋根裏にL字形金具を取り付けるなど、不要な工事をして現金数十万円をだまし取った疑い。
また、京都府警の調べでは、同社従業員が今年3月ごろ京都市内の70代の無職女性宅を訪れ、「このままでは地震で家がつぶれる」とうそを言って屋根裏の耐震補強工事をして、数十万円を受け取った疑い。
同社は、2容疑者のほかにも数人の従業員が03年10〜11月、富士見市の老姉妹と屋根裏の補強工事や断熱工事など計約580万円を契約した。後に工事を検査した1級建築士によると、契約額は適正価格の3倍に上っていたという。
同社をめぐっては、03年9月に中国広東省珠海市のホテルで、社員288人が200人弱のコンパニオンを相手に買春したとされる。中国当局は幹部社員3人を国際刑事警察機構(ICPO)を通じて、組織売春容疑で国際手配している。
民間の信用調査機関によると、同社は通信機器の販売を目的に92年12月に設立。01年8月にリフォーム業界に参入後、業績を大幅に伸ばした。従業員は560人で、04年の売上高は64億5000万円に上る。
老姉妹宅の問題では、19業者のうち「ハウス・ケアー・サービス」(東京都世田谷区)が、「消費者の判断力不足に乗じて契約を結んだ」として、特定商取引法に基づき埼玉県から改善指示処分を受けている。【酒井祥宏、村上尊一、和田憲二】
(毎日新聞) - 11月7日12時3分更新
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