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「消費者金融に何軒か当たれば借りられる。私も時々借りているし、何でもない」
同社の顧客だった三重県内の男性小学校教諭(39)はある時、外務員にこう勧められた。小豆取引のため必要とされた百六十六万円が「用意できない」と言うと、消費者金融を勧められた。
教師という職業柄、教え子など知人に見られてはいけないと、地元から離れている店舗を選んで夜中に足を運んだ。消費者金融からの借金は初めてだったが「(損失がかさみ)追い込まれていたので、周りは見えなかった」。
その後の取引でも、「一千万出せばこれまでの損失を取り戻せる」と言われ金策を思案。すると親せきや友人からの借り方を指南された。
「先物の話を出してはいけない。『銀行員の友達が定期預金をノルマとして集めなければならない。形だけ預けたことにして後で返してもらう』と言えばいい。確実にもうかるからすぐ返せる」
結局、教諭は四年間で三千六百万円の損失を被った。その間、消費者金融や親族から金を借り続けた。命を絶って、生命保険で返済することも頭に浮かんだという。
また、同社との取引で千四百万円損をした岐阜県内の男性会社員(38)は、損失がかさみ取引の終了を申し出ると、消費者金融の店舗がどこにあるかなどを詳細に教えられた。
先物取引被害全国研究会の大田清則弁護士は「消費者金融から初めて借りる人も多いが『いくら用意できればなんとかなる』と言われると、損失がかさみ追い込まれた心理から抵抗感が薄らいでしまう」と指摘。「お金が尽きた人に借金をさせるのは明らかに問題ある営業だ」と批判している。
愛知県警は二日午前、商品取引所法違反(虚偽報告)容疑で逮捕した元商品先物取引会社「グローバリー」社長の山田保弘容疑者(45)ら幹部四人を送検した。四人はいずれも容疑を認めている。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20051102/eve_____sya_____015.shtml