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2005年11月01日(火) 17時02分

スパムのブログ版「スプログ」、ブログ界の脅威にWIRED

 一見したところでは、普通のブログのようだ。しかし注意深く見ると、そのコンテンツの実に奇妙な点に気づくだろう。コンテンツに見覚えがあるのだ。いや、単に見覚えがあるどころではない。

 なぜなら、それは6ヵ月前に自分のブログに書いた文章だからだ。他の部分のコンテンツは意味をなしていない。同じ言葉が延々と繰り返されている。サイドバーは、バイアグラや住宅ローンなどの広告で埋め尽くされている。

 ここでようやく、これが「 http://en.wikipedia.org/wiki/Splog スプログ」(splog)——「スパム・ブログ」を縮めた呼び名——だと気づく。あなたのブログはスプログの餌食になったのだ。

 スプログは、スパム業者がブログ界から利益を得るために使う最新の方法だ。最近、このスプログが大発生するという現象が起こった。米グーグル社のブログサービス『 http://www.blogger.com/ Blogger』(ブロガー)が、あるスクリプトによって作成された1万3000以上の偽ブログで溢れかえったのだ(その後これらはすべて削除された)。

 スプログの見出しは往々にして無意味で、使われる単語も多岐にわたるため、それだけをあぶり出すことは困難だ。ウェブホスティングを手がけ、自社サイトでブログも運営する http://www.laughingsquid.com/ 米ラーフィング・スキッド社のスコット・ビール氏によると、同氏の監視リストには、『Phish Rocks』(フィッシュ[バンド名]がロックする)、『Dude』(野郎)、『Geeks Meet Greeks』(変人がギリシア人に会う)など、じつに奇妙なスプログが現れたという。

 スプログはなぜこんなことをするのか? スプログの標的になっているかどうかを知るにはどうしたらいいのか? スプログを阻止する方法は? これからそのコツをいくつか紹介しよう。

スプログの標的になっているかどうかを調べる

 スプログは、本物のブログからコンテンツをコピーして、グーグルの『 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF ページランク』を上げることで、広告料をまきあげようとする。ブロガーにとっての問題は、自分のブログのページランクが下がったり、スパムと結びつけられて評判を落としたりする可能性があるということだ。

 自分のブログがスプログの標的になっているかどうかを調べるには、『 http://technorati.com/ テクノラティ』や『 http://icerocket.com/ アイスロケット』、『 http://www.pubsub.com/ パブサブ』などのブログ検索エンジンでニュースフィードに登録する。自分の名前やサイト名、あるいはURLで検索してみよう。大半のブロガーは、他のブログでの自分の評判を調べるためにこれらのサービスを使っているが、この方法で自分のコンテンツを盗用しているスプログを発見することもできる。流行のキーワードが異常に多くメインのコンテンツ部分に出てくるので、スプログだと気づくはずだ。また、スプログは訪問者をまったく別のサイトへとリダイレクトすることが多い。

スプログを報告する方法

 スプログは個々のブロガーにちょっとばかり迷惑をかけるだけと思われるかもしれないが、スプログの総体としての影響は甚大だ。

 『 http://lockergnome.com/ ロッカーノーム』の http://chris.pirillo.com/ クリス・ピリロ氏は、「すべての検索語がこうしたスプログに荒らされてしまったら、何が起こるだろうか? 本当に探したいと思っているサイトを見つけるのが、はるかに困難になってしまう」と語る。

 だから、コミュニティーのために、スプログを見つけた場合は通報してほしい。もしBlogger上にスプログがあったら、そのページの右上にある「フラグを設定」ボタンをクリックすることで、簡単に通報できる。こうすることで、Bloggerの管理者に不適切なコンテンツを報告でき、スプログは削除されるはずだ。スプログが他のブログのプラットフォームで見つかった場合は、ブログの作者に直接連絡したほうがいいかもしれない。

 あるいは、2005年8月にフランク・グルーバー氏とジェフ・ジョン氏が立ち上げた新たな草の根サービス、『 http://splogreporter.com/ スプログ・レポーター』へ通報してもいい。スプログ・レポーターでは、スプログ判別用の特別なシステムを使い、ブログのURLを分析してハイフンや疑わしいキーワードがないかどうかを調べる——どういうわけか、スプログの多くにハイフンが使われているためだ。スプログ・レポーターは、疑わしいサイトをデータベースに追加し、そうしたサイトをインデックスから削除するよう検索エンジンに警告する。

 スプログがグーグルの広告を出している場合は、そのサイトを『Google AdSense』(グーグル・アドセンス)へ通報すれば、スプログが登録したAdSenseのアカウントは無効になるはずだ。

コメント・スパムやトラックバック・スパムの削除も有効

 コメント・スパムやトラックバック・スパムは、厳密にはスプログではないが、スプログと関係がある。コメント・スパムやトラックバック・スパムを扱うスパム業者は、サイトのページランクを上げる意図でスプログをリンクすることもある。

 コメント管理システムがあると役に立つ。『Movable Type』(ムーバブル・タイプ)のバージョン『3.2』は、スパム退治用のアップグレードされたジャンク・フォルダ・システムを搭載している。他バージョンのMovable Typeのユーザーは、問題回避のために、中央管理が可能になる『MTブラックリスト』というプラグインを使ってもいい。

 人気のあるブログ・プラットフォームの1つ、『 http://wordpress.org/ WordPress』(ワードプレス)には、コメント管理機能が搭載済みだ。

 トラックバック・スパムを阻止するのはさらに難しく、トラックバック機能を丸ごとオフにして対処するブロガーも大勢いる。

その次にすること

 スプログの問題について声を上げることも、スプログと戦ううえでとくに有効な手段だ。ブログサービスを運営するプロバイダーに説明責任と対策を要求し、ブログ作成プロセスにスプログを阻止する条件の追加を求めるといい。

 アイスロケットを運営する http://www.blogmaverick.com/entry/1234000717063627/ マーク・キューバン氏は、最近のスプログの氾濫についてとくに声高に訴えてきた。他の大物ブロガーたちもグーグル社とBloggerに、より高い基準を要求している。今のところ、グーグル社は寄せられた意見に対応しているようだ。Bloggerは最近、ブログ作成プロセスに『 http://www.captcha.net/ CAPTCHA』(コンピューターと人間を見分ける、完全に自動化された公開チューリングテスト)という単語認証システムを http://buzz.blogger.com/2005/10/spam-barriers-redux.html 追加したほか、削除済みURLのリストを発行することによって、他の検索エンジンがインデックスからそれらのURLを削除できるようにした。

[日本語版:向井朋子/高森郁哉]日本語版関連記事

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(WIRED) - 11月1日17時2分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051101-00000002-wir-sci