2005年10月27日(木) 15時59分
私大 名義貸し勧誘横行 大阪府警 詐欺容疑で情報収集(産経新聞)
大阪の私立大学で、学生らのグループが、「報酬を出す」などと言って、ほかの学生に借金の名義貸しを持ちかける勧誘が横行していることが二十七日、分かった。グループは、「消費者金融に残った債務データは、コンピューターに侵入して消すことができる」などとウソを言って学生らを安心させ、借りさせた現金を受け取ると行方をくらますという。実際に百万円以上の借金を抱え込んだ学生もおり、大阪府警は詐欺の疑いもあるとみて情報収集を始めた。
関係者によると、グループは、複数の大学の大学生が集まる「イベントサークル」などを悪用。参加者に「おいしい話がある」などと借金を持ちかけることが多かった。
被害にあった男子大学生(20)は今年八月、こうしたサークル主催のキャンプに参加、同じ大学の先輩の男子学生から、「消費者金融会社の株価を上げるように頼まれた」という名目で、この会社から融資を受けるよう依頼。「借り入れたデータは業者のコンピューターに侵入して消去できるので、心配しなくてもいい」と説明し、借りた金と会員カードを渡せば、一割の報酬を支払うと約束したという。
大学生は先輩と待ち合わせして大阪市内などの消費者金融三店舗のカードをつくり計百四十万円を借金。「報酬」として十四万円を受け取ったが、この際、先輩とは別の二十歳代前半とみられる面識のない男性も一緒におり、この男性の指示に従って店舗を回ったという。
約一カ月後、消費者金融から大学生に督促の電話があり、債務データが消えていないことが発覚。先輩に問い合わせると「ある人間が金を持ち逃げした。データもまだ消せていない」と返答。
不審に思った大学生がサークルの仲間に相談したところ、同じ先輩から同様の誘いを受けた学生がほかにもいたことが発覚。先輩や一緒にいた男性とも連絡がとれなくなり、府警に相談したという。
大手消費者金融によると、二年ほど前から「アルバイト」と称して融資を受ける若者が続出。中には組織化した悪質な集団もいるという。
ある会社の関係者は「融資に関する認識が甘い若者が多い。依頼されて金を直接借りた人も詐欺の共犯にあたる恐れもある」と指摘。その上で「金を借りさせた場合は、利息を減額する措置を取るケースもあるが、悪質な場合は法的手段も辞さない」としている。
(産経新聞) - 10月27日15時59分更新
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