2005年10月24日(月) 19時55分
<TV録画訴訟>装置の販売差し止め命令 大阪地裁(毎日新聞)
マンション住民のために1週間分の民放テレビ番組を一括して録画し、住民が自室で好きな時間に視聴できる自動録画装置を巡り、大阪の民放5社が「著作権法に違反している」として開発・販売元のクロムサイズ社(東京都港区)を相手取り、販売差し止めなどを求めた訴訟の判決が24日、大阪地裁であった。山田知司裁判長は「放送局の著作隣接権である番組の複製権と、公衆に視聴させる送信可能化権を侵害する。装置の販売によって必然的に権利侵害の結果が生じる」として視聴可能地域での販売差し止めを命じた。
装置の商品名は「選撮見録(よりどりみどり)」で、大容量ハードディスクを備えた共用サーバーをマンション内に設置し、番組を録画する。各世帯(最大約50戸)ではLAN回線を通じ、ハードディスクに録画した番組を見ることができる。録画番組は各世帯ごとに予約する仕組みだが「全局予約モード」を選択すると5局の全番組を1週間分録画できる。
毎日放送など5社が今年1月に提訴した。
山田裁判長は「著作隣接権の侵害なしに装置を使用する方法は見当たらない。装置を販売すれば、必然的に放送事業者の権利が侵害される」と結論付けた。
一方、著作権の侵害については「民放側が主張する番組の内容や著作物性の有無が判断できない」と原告の主張を退けたが、装置の設置・使用は著作権法が認めた「私的使用の複製」には当たらないと判断した。【前田幹夫】
(毎日新聞) - 10月24日19時55分更新
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