2005年10月23日(日) 10時46分
<アスベスト>”危険”施設が187に 九州・山口で(毎日新聞)
九州・山口でアスベスト(石綿)が使用され、施設の一部使用禁止や封じ込めなどの措置が必要とされる施設が、計187に上ることが毎日新聞の調べで分かった。国は省庁別に各県を通じて市町村を含む実態調査を進めているが、結果がまとまるのは11月のため、現時点で「調査中」と回答した自治体も多く、こうした施設はさらに増えるとみられる。
◇居住者、一時転居も…自治体が対策
各県と全市を対象に、管理する学校や病院、庁舎などで、石綿の使用施設数と、それに伴う除去や飛散防止などの措置が必要な施設数をたずね、22日までに沖縄県を除く8県と66市から実数回答を得た。それによると、石綿を使用または使用の可能性がある施設は計1076施設。うち187施設が、飛散の可能性を調べるなどの理由で施設の一部を封鎖・使用禁止にしたり、給食の献立変更するなどの措置(除去作業後、業務を再開した施設も含む)が必要とされた。残る889施設については、各自治体は危険性はないと判断している。
県別では、福岡の338を筆頭に長崎190▽熊本182▽鹿児島168▽山口94——などの順。
実例を見ると、給食センターのガス回転釜などの調理機器での使用は影響が大きく、熊本市は煮物など火を使うメニューを極力減らすなどでしのいでいた。
鹿児島県鹿屋市では、市内の小中高校6校の教室の天井などで石綿が見つかり、使用禁止措置を取った。87年の調査では当時の基準値を超えなかったため、除去などの対策がとられなかったという。宮崎県小林市では、小学校2校の音楽室天井で石綿が見つかり、使用を禁じ特別教室で代用し、来年の夏休みに除去作業をする予定だ。
山口県防府市の市営住宅では、市が87年と今年8月の2度、設計図検査で使用を見落としたことがわかり、居住者に一時転居したうえでの除去工事実施を予定している。
一方、社会福祉施設や病院では、該当個所の立ち入り禁止や封鎖など部分的な措置で済むケースが多かった。【まとめ・上野央絵】
施設 使用判明か 措置が必
可能性があ 要な施設
る施設
小学校 131 52
中学校 48 19
病 院 248 40
社会福 276 26
祉施設
給食セ 26 9
ンター
県立学校 29 8
庁舎など 318 33
その他
計 1076 187
(毎日新聞) - 10月23日10時46分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051023-00000015-mai-soci